第13週「女房は掃きだめから拾え?」(木)
放送日
- 2024年6月27日
登場人物
- 伊勢志摩(立花幸恵、代議士)
- 菊地凛子(茨田りつ子)
概要
寅子と多岐川は代議士・立花幸恵と共にラジオ番組に出演。家庭裁判所の存在は広く知られるようになる。寅子の活躍の一方で、よね、轟、そして梅子は予想もしていなかった事態に直面していた。(NHKオンデマンドの解説より)
梅子はすべてを放棄することを宣言。遺産も放棄する。嫁としての役割も、母としての役割も放棄し家を出ると。そして轟事務所に居候させてもらうことになった。梅子、寅子、花江は再建した「竹もと」でお汁粉を味わうのだった。
感想
今日はサプライズが二つ。ひとつは、すみれと光三郎が付き合っていたことだ。すみれは光三郎に特別な感情はなかろう。遺言書が偽造であるとバレた時はいやにあっさりと引っ込むと思ったが、その時に、次の手として光三郎をたらし込むことを決めたのだろう。光三郎のような世間知らずを落とすのは、すみれにとっては朝飯前だったに違いない。
もうひとつは、家庭裁判所主催のコンサートに茨田りつ子が出演することだ。61話で出演者を探す時に「コロンコロン」が登場し、62話で「福来スズ子なんかはどうだい?」「無理に決まってます!」みたいなやり取りもあって、こういう形で過去の作品をカバーすることはなかったはず、面白い試みだと思っていたが、まさか本当に登場することになるとは。ちなみに1949年は槙野万太郎もまだ生きている。
光三郎がすみれと付き合っていると知った時の梅子の高笑いは鬼気迫るものがあった。鷲尾真知子演じる常の野太い声も迫力があったが、それとは別種の凄味があった。これまで大人しく、常に穏やかだった梅子が本作で初めて見せる迫力に、常も、子たちもタジタジ。「お互いに、人のせいにせず、自分の人生を歩いて行きましょう」はよかった。ただ、遺産を放棄することはなかった。新生活を始めるには資金もかかる。結果的に次男の提案に乗った形になったのは気に入らないが、これを契機にいがみあっていた三兄弟が協力し合うようになったというから、効果はあったのだろう。
しかし、光三郎が受け継いだ分はあっというまにすみれに吸い取られ、放り出される未来が見える。その時、徹太や徹次は光三郎のために何かするだろうか?
猪爪家の家事労働を一手に引き受けている花江のことも気になる。本人が望んでやっていることだし、こうしてお汁粉を食べるのに誘ってもらったりして、楽しいこともあるようだから、問題ないようにも見えるが、はて。