大原麗子が見たいなあと思ったらちょうどツタヤにあったので、「男はつらいよ 寅次郎真実一路」を借りてきた。シリーズ34作目。寅さん映画ってお正月の風物詩だと思い込んでいたけど、お正月だけになったのは最後の方で、ずっと年2回だったみたいだ。大原麗子がマドンナとして登場するのはシリーズ22作目に次いで2回目だが、別人として登場している。
題名 | 男はつらいよ 寅次郎真実一路 |
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監督 | 山田洋次 |
脚本 | 山田洋次、朝間義隆 |
出演 | 渥美清(車寅次郎)、倍賞千恵子(諏訪さくら)、前田吟(諏訪博)、吉岡秀隆(諏訪満男)、下條正巳(おいちゃん)、三崎千恵子(おばちゃん)、太宰久雄(タコ社長)、笠智衆(御前様)、佐藤蛾次郎(源公)、美保純(あけみ、タコ社長の娘)、米倉斉加年(富永健吉)、大原麗子(富永ふじ子、健吉の妻)、他 |
制作 | 日本(1984年12月28日公開) |
冒頭にいきなり怪獣が登場し、一瞬、間違ったDVDを借りてきたかと思った。これは寅さんの夢なのだが、これが延々5分以上も続く。
今回のマドンナは、呑み屋で意気投合した大手証券会社の課長、富永の妻。既婚者を好きになるのは珍しいなあ。未亡人はあったかも知れないけど。ま、バリエーションは必要でしょうけどね。
昔は寅さんを面白いと思っていたのだが、年齢のせいか立場のせいか、今回は面白いとは思えなかった。自分が、精神的にも経済的にもものすごく余裕があれば、こうした人と付き合うのも悪くないかも知れないが、普通の生活をしている人にとっては手に負えないだろう。
富永におごってもらったお礼をするのはいいとして、アポも取らずに突然会社へ出向き、今夜はおごるから一緒に飲みに行こうと。遅くなりそうですと言っても、暇だから何時まででも待ってると言われるなど、会社員からしたら、迷惑以外の何物でもない。
蒸発した富永を探しに行くためにおいちゃんに無心するのだが、店の金庫を開けて「なんだ、これしかねえのか」という台詞には心底腹が立った。そのこれっぱかりのお金を稼ぐために、おいちゃんもおばちゃんも毎日働いているわけで、「人がメシ食ってる時に騒々しいなあ。もう今日は店を閉めちゃえよ」などと平気で口にする寅次郎には、そんな風にあっさり店を閉めたりしたら、これっぱかりのお金すら貯まらないのだ、ということがまるでわかっていない。しかも自分はいい年をして、当座の旅費すら持ち合わせがないのに、だ。
ダンナを探しに鹿児島へ行くふじ子を心配して同行するなどというのも、親戚でもない男がついてきたら田舎でどのように見られるか、宿を別にすれば済む話ではない。もっとも、ふじ子の方は迷惑に思うどころか、歓迎していたふしがあり、これも納得できない。心細いのはわかるけど、ここで別の男を頼っちゃいかんでしょうに。
とにかく、しみじみ思ったのは、いざという時に10万、20万のお金が自力で用立てできないのは寂しいなあ、ということだ。そんなお兄ちゃんを思うさくらの心情が切ない。
前田吟がいい味を出していた。吉岡秀隆はまだ子供だった。タコ社長に娘がいたとは知らなかった。御前様は健在。
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