窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

坂の上の雲 第四回「日清開戦」

出演

感想

先週の日曜は見れなかったけれど、録画したものをようやく見た。

  • 秋山好古はアル中だ。
  • 正岡子規は喀血する時、口を手で押さえもせず周囲に血をまき散らすのは迷惑だ。結核は空気感染するんでしょう?
  • 明治の人は本当にヒゲが多い。江戸時代がヒゲ禁止だったからその反動で多かったとはいうが。
  • 東郷平八郎が薩摩出身とは知らなかった。戊辰戦争にも従軍していたと紹介され、ますます驚く。
  • 明治初期の政治家や役人高官はほとんどが薩長出身だというのはわかるが、明治27年ともなれば、もはや江戸時代も遠くなりにけりではないかと……自分の頭の中では完全に別の時代と思っていた。が、そうではないのだ。明治元年に二十歳だった東郷平八郎日清戦争の時は46歳、日露戦争は56歳で現役軍人なのだ。
  • 森林太郎が兵士の病気のことを語るのにはちょっともやもやした。脚気の原因をつくったといわれる人なのに。

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戦争シーンでは、秋山兄弟ともに苦戦しっぱなしだったのに、突然ナレーションで「日本の勝ち」を告げられて、今回は感情がついていけなかった・・・

そう、僕もそれで筋がなんだかよくわからなかったのだった。

明治という時代は、法律の面では現代の日本国憲法より遥かに自由もないし、立憲君主憲法ですから「封建的」な面は現代より強いはずですが、明治に生きた人間の方が遥かに自由で希望にあふれているのがよくわかります。これは明治政府の「富国強兵」「殖産興業」という方針の元、どんどん国民にチャンスを与え自らの努力によって成功を手に入れることを寧ろ奨励していた時代背景もあります。

ブログ主のKyojiさんが、自分よりも明治の人の方が、と感じたなら文句を言う筋ではないが、一般論として、平成時代の人よりも明治時代の人の方が……というのであれば、僕はそうは思わないということを述べておく。

明治時代は今ほど多様な考え方や生き方は受け入れられていなかった。江戸時代、長い鎖国政策で国際的に孤立し、科学技術は遅れ、島国なのに海軍ひとつなく、強引に開国させられて不平等条約を押しつけられた反動で、明治時代はなんでもかんでも欧米の物真似をし(それが先進的であると思い)、限りなき軍備増強に駆り立てられ、西欧列強に追いつくため帝国主義への道をひた走りに走っていた時代である。その延長線上に日清戦争日露戦争もあるわけだ。

そうした流れに乗れる人にとっては良かったのだろうが、いや戦争とか興味ないし家に帰ってゲームやるわ、なんてことは許されなかっただろう。それ以前に、女はどんなに頑張っても政治家にはなれないし軍人にもなれない。そもそも選挙権がなく、どんなに頭が良くてもろくに学校へも行かせてもらえない。

現代が最高だというつもりはないが、明治時代に「希望にあふれていた」のはごくごく一部の人でしかなかったのではないかと想像する。少なくとも僕は明治のような時代はまっぴら御免である。