龍馬伝-01「上士と下士」

2010年度NHK大河ドラマ岩崎弥太郎の視点で坂本龍馬の生涯を描く。

出演

雑感

時代背景になじみがあるということもあろうが、「坂の上の雲」よりはずっと面白かった。

福山雅治が龍馬と聞いた時は、視聴率稼ぎのための起用かも知れないが、龍馬のがさつなイメージに福山は合わないと思った(とはいえ、福山が出るから僕も見ようと思ったのだが)。

見てみて、福山龍馬はいいかも知れない、と感じた。龍馬の「人たらし」――誰でも龍馬に好意を抱いてしまう、特に女性にもてたという面では、福山がぴったりなのかも知れない。剣の達人にしては線が細いと思ったが、スポーツ万能の福山は剣の腕もなかなかだった。

それに、これは新たな発見だったが、姉たちに甘やかされて育ってきた龍馬は、女にとってついいじりたくなる、いわゆる「いじられキャラ」だったのではないか。これは福山龍馬を見て初めて感じたことだ。

残念なのは、乙女役の寺島しのぶだ。寺島が悪いわけではないが、乙女は何しろ身長180cm体重120kgだったとも言われる巨漢で、剣術弓術をはじめ武芸百般なんでもござれの徒であり、だからこそ「仁王様」と言われたわけだ。寺島の身長は163cmだから特別小柄というわけではないが、乙女役には少々荷が重いのではないか。剣術の腕前も明らかに初心者だったし。

役者の年齢が全般的に高いのも気になる。寿命が延び、アンチエージングの技術も発達した現在は、年齢が上でも見かけは当時よりずっと若いのかも知れないが、龍馬が死んだのは33歳、武市半平太が死んだのは35歳。福山雅治は39歳、大森南朋は37歳。番組冒頭で明治15年の(成功した)岩崎弥太郎が登場したが、この時点で弥太郎は47歳。香川照之は44歳。一人ひとりの役者に不満はないが、もう少し若い役者を探しても良かったのではないか。

主題歌の際のイメージ画像で、龍(dragon)は登場したが、天馬(pegasus)が見当たらなかったのはなぜ? これでは龍馬でなく龍だ。龍は奥さんだよ。

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オープニングは明治もだいぶ経ってから、香川照之がかなり威勢のいい演説をかます正岡子規元気になったなあ、って違うか。

ぷぷっ(笑)。実は自分も同じことを思いました。

ところで、この「龍馬伝」は、明治15年、とある新聞記者が岩崎弥太郎に、「坂本龍馬という人をご存知ですか? 徳川幕府にとどめを刺し、明治政府の骨格を作り、岩崎さんが三菱という組織を作る上でもなくてはならない人だったと聞きましたが、世の中の人は坂本龍馬なんて誰も知りません。どういう人だったんですか」と訊かれて答えるという形式を取っている。

それでなるほど、明治初期には坂本龍馬なんて誰も知らなかったのかも知れないなあ、と思った。薩摩の西郷にしても大久保にしても、長州の桂にしても、明治政府は自分たちが作ったと言い、あえて(既にこの世にいない)龍馬の手柄だとは喧伝しないだろうし(故人の名を挙げるなら、吉田松陰とか島津斉彬とかいろいろいるわけだし)、大政奉還山内容堂の手柄になっているだろうし……。積極的にその偉大さを伝えようとしたのは陸奥宗光くらい? 実際はどうだったんだろうか。

1話で大人になるってNHKはどれだけ福山雅治の引きの強さに期待してるんだよ。露骨過ぎやしないだろうか。

現在、DVDで見ることのできる最古のNHK大河ドラマは「風と雲と虹と」(1976年)だが、これも第一話でいきなり加藤剛演じる青年・平小次郎将門が登場した。子役時代を端折って早めにメインの役者を登場させるのはそう奇をてらった演出ではないと思う。