後藤象二郎、一世一代の進言/龍馬伝-47「大政奉還」

雑感

後藤象二郎徳川慶喜大政奉還の建白書を提出し、大騒ぎになるが、結局、1867年10月14日、大政奉還成る。という話。

前回のワタシの書いたことがNHKのスタッフに届いたのか? 今回は一応、「大政奉還こそが徳川700万石の延命策でございます」と慶喜の側近に言わせていた。また、徳川に延命されては困るからこそ、薩長大政奉還に不賛成だったわけだ。

とはいえ、政権を返上すれば役人2万人が失業するという。龍馬は「その人たちも百姓をしたり、商売をやったりして暮らせばいい」ととんでもないことを言い出す。で、まあとにかく、慶喜大政奉還の決意をする。

ドラマとしては見どころはあった。慶喜が二条城に各藩の藩政担当者(薩摩の小松帯刀などもいる)を集め、「大政奉還についてどう思うか」と訊く。大方は「そのようなこと、とても私の一存では答えられませぬ、国元へ帰り、藩論をまとめ、改めて回答させていただきたく……」「私もです」「私も」と、役に立たない回答ばかりの中、土佐の後藤象二郎のみが、大政奉還すべきときっぱり発言する。イライラした慶喜が象二郎に近づき、幕府を終わりにしろと申すか! と怒鳴ると、「今大政奉還を成せば、慶喜公の名は名君として末代まで語り継がれましょう、されど……」と脂汗を流しながら答える。この時、後藤象二郎は死を覚悟していただろう。真っ青になりながらもきっぱりと答えるさまは見事であり、たいへんな存在感があった。

象二郎は、直前に龍馬から「もし大政奉還がなされなければ自分は慶喜公を斬ります。あの世でお会いしましょう」との手紙を受け取っていた。「あの世でお会いしましょう」とは、「その時はアンタも切腹しろよ」という脅しと思われる。もちろん、龍馬に脅されなくても、失敗したら容堂公に合わせる顔がなく、象二郎としては腹を切るしかないだろう。そういう決死の発言であったことは間違いない。

大政奉還を主張すれば、慶喜は面白くない。他の各藩も「なにを余計なことを……」と、何も言わないが雰囲気で圧迫してくる。もちろん薩摩・長州は大政奉還には反対である。そうした中、象二郎はたった一人で闘っていたのだ。建白書の内容より、この時の象二郎の覚悟が慶喜を動かしたのかも知れない。そのくらい、青木崇高の演技が光っていた。

しかし実際には、容堂公はともかく、単なる家老に過ぎない象二郎は、将軍と直接口が利ける立場ではなかったのではないか。内々であればともかく、公式の場で面と向かって話をするなんて、あまりにも歪め過ぎではないかなあ。そうしないと話が進まないと言われればそれまでだが、そういう世の中だからこそ変えなければいけないわけで。

新撰組坂本龍馬を斬ろうとした瞬間に勝海舟が姿を現わした、というのも、でき過ぎ。ドラマじゃないんだから。ドラマだけど。もうちょっと話をうまく作ろうよ。

勝海舟が龍馬に言う。「慶喜公が大政奉還を決意するのに、どれほどの勇気と覚悟が必要だったか……。その慶喜公を敗軍の将とすることは、おいらが許さねえ。龍馬、薩長を抑えられるか」。これに対して龍馬はYESと答えるのだが、これは来週への重要なリンクだな。

ラストで、薩摩藩では西郷隆盛が、「坂本龍馬は生かしておくべきではなかった」とあっさり呟くし、(旧)幕臣幕臣で、坂本のおかげで幕府がなくなってしまった……と恨みを募らせる場面がちょっと映った。これは明らかに来週への伏線。

予告編を見ると、「龍馬伝」においては龍馬暗殺の下手人は見回り組ということにするらしいけど、僕は黒幕は薩摩藩だと思っている。