窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

NHK大河第19回「慶喜の誤算」

出演

  • 谷村美月(小田時栄)
  • 山内容堂は誰? 八重が鉄砲を教えた少年たちの名前と配役は? この子たちは必ずあとで再登場しますよね? 何度でも書くが、公式サイトの情報量(特に登場人物紹介)は手を抜き過ぎだ。

粗筋

慶喜が政権を返上したのは、政権を返上すれば薩長は徳川を討つ名目を失う、一方、いち大名に戻って公儀によってまつりごとを決めるとしても、徳川は圧倒的な大大名であるから、主導権を握れるはず、という思惑だったはず。

しかし、最初の朝議の場に、行けば薩摩に捕らわれるのではないか? と怯え、風邪と称して欠席、容保にも行くなと伝える。案の定というか、慶喜・容保不在の朝議では徳川の官位剥奪・領地返上など厳しい沙汰が下され、岩倉具視や薩摩を中心とする新しい政府が発足するのだった。

会津では、大政奉還されたことが伝えられるが、これからどうなるかわからず誰もが不安に。八重は二本松を見習い、少年たちに鉄砲を教え始める。道場では竹子からようやく一本返す。八重に「修行のし直しです」と言いに来た竹子は、一時期の見下したような態度は見られなかった。八重は竹子を角場に誘う。一度鉄砲を撃つところを見てほしい。鉄砲にも会津の魂がこもっているから、と……

感想

息苦しい回だった。これからはだんだん重い話になっていくのだろう。

政権返上後に主導権を取るのが目的だったのに朝議を休むとは信じられない。山内容堂公だけが徳川を弁護するも、多勢に無勢。思うに、慶喜は極めて頭の回転は速く、その意味では聡明であったろうが、いかんせん腹が据わっていない。たとえ何があっても、ここは行くべきだった。まあ、行っても結果は変わらなかったかも知れないが。

江戸時代のはじめ、徳川が豊臣を滅ぼすためにあることないこと難癖をつけて挑発し、戦に持ち込んでこれを滅ぼしたことと同じことが起きているだけだろう。誤算と言うなら、「政権を返上すれば薩長は徳川を討つ名目を失う」と考えた点か。確かにその通りで、名目を作るのに苦労しているわけだが、振り上げた拳を降ろすことは絶対にないのだ。

小田時栄登場。若く、可愛いが、意地っ張りで度胸も満点。覚馬が気に入るのもわかる。ネットでの感想を見ていると、にまにましていた人もいたようだが、会津に残してきたうらやみねのことを考えると、とても微笑んでいられない。

八重と尚之助の漫才もなし。この二人の漫才がないと、全体が殺風景になる。

八重が「会津で何かあった時に……」と言うと佐久は「会津に何があるって言うんだ」とため息をつく。八重にしても千里眼の持ち主である尚之助に影響されて、何かあるかもと漠然と思っているだけで、頭の中では京から遠く離れた会津で何かがあるわけがないと思い込んでいるだろう。京に行っているあんつぁまたちは、巻き込まれるかも知れないけど……まして、会津に暮らす人たちは、何かが起きるとはハナから思っていないのだ。切ない。

口頭で坂本龍馬中岡慎太郎が暗殺されたことが伝えられる。ちゃんと名前が出てきたことを評価するむきもあるようだが、それなら高杉晋作が出てこなかったのはバランスが悪い。出さないなら出さなくてよかったように思う。

今日のお勉強

「王政復古」の意味をこの年になるまで理解していなかった。武家政権を廃して王家による政権に戻すくらいの意味だと思っていたが、律令制以前に戻すという意味だった。だから幕府だけでなく、摂政関白も廃止されたのだ。知らなかった。恥ずかしいといえば恥ずかしいが、学校で習ったかな?

ついでに、新たに置かれた「総裁・議定・参与」のうち「議定」は「ぎじょう」と読むんですね。これも初めて知った。

リンク