窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

宮沢りえが鈴木保奈美の娘とは……

江が(初もだけど)なんであんな派手な着物を着ているのか、なんであんな子供じみた喋り方や態度を取るのか、当初は疑問だったが、江がドラマの中では8歳だと知って納得した(上野樹里の初登場時は6歳)。もっとも、24歳の役者に8歳を演じさせること自体、異様ではある。

長い期間を描いたドラマでは、どうしても役者は実年齢より若い時からそれを上回る時まで、ワイドレンジで演じなければいけない。今の江は上野樹里に演じさせなければならず、誰か子役にというわけにはいかないだろう。だからまあ、上野樹里が6歳でも8歳でもいいじゃないか、とは思う。

ただ、役者同士の相関年齢は気になる。つまり、初は江の3歳上なのだから、初を演じる役者は江を演じる役者のちょっと年上であってほしいと思う。これは実際にそうなっているが、茶々がとても初・江の姉には見えない。年齢が離れ過ぎである(実際には茶々と初は年子なのだが)。そもそも宮沢りえ鈴木保奈美の娘というのが無理がある。姉妹というなら納得だが。

男たちもそうだ。織田信長柴田勝家羽柴秀吉らは、ちょうど今、役者の年齢と演じているキャラクタの年齢がだいたい一致しており、いい感じである。明智光秀がちょっと年を喰っているが、信長・秀吉より年上であることは間違いないので、よしとしよう。しかし、徳川家康が貫録があり過ぎる。信長・秀吉・家康の中では、実際には家康が一番若く、弟分なのである。

彼らの相関関係を考える時、年齢は大きな意味を持つと思う。もし仮に、家康が秀吉より10も年上だったら、秀吉が権力の座につくのをおめおめと眺めていたかどうか。自分の方が若いからこそチャンスを待っていられたのではないか。北大路欣也は名優だが、あれでは築山殿事件の際にむざむざと妻子を殺すとは思えない。

秀吉の正室・寧々は、秀吉より10も若い。嫁が持てる身分に出世するのに時間がかかり、若い嫁をもらったのである。若いけれども、頭がよく、秀吉は頭が上がらなかった。というような部分に秀吉の性格がいろいろ表われているのだが、大竹しのぶ岸谷五朗より7つも上。ねね役の女優候補はいくらでもいるだろうに。

役者の実年齢と演じる年齢が離れていてもいいが、誰かを基準にして、たとえば信長を豊川悦司がやると決めたら、信長との相対的な年齢と、豊川悦司とそれぞれを演じる役者の相対的な年齢がある程度一致するように選んでもらいたい。なぜNHK大河ドラマでこうしたことを無視したキャスティングをするのかは謎である。

天正9年(1581年)時点の各人物の満年齢と、演じる役者の2011年2月の時点での年齢は下記の通り。

ドラマの登場人物 年齢 役者 年齢
8   上野樹里 24
11   水川あさみ 27
茶々 12   宮沢りえ 37
34   鈴木保奈美 44
織田信長 47   豊川悦司 48
柴田勝家 59   大地康雄 59
明智光秀 53   市村正親 62
羽柴秀吉 44   岸谷五朗 46
おね 34   大竹しのぶ 53
徳川家康 38   北大路欣也 67