出演
- 松雪泰子(得子(なりこ))
感想
空気の読めなさ加減でこの女の右に出る者はない、璋子(たまこ)。鳥羽上皇が、なぜ自分と結婚したのか聞くと、白河院に命じられたからだとしれっという。当初は白河院と別れるのがつらくて、鳥羽のもとに来てからも泣き暮らし、身体の具合を悪くしてしまったが、その時鳥羽が白河院に会うように言ったため、飛んでいき、その寵愛を十分に受けてきた……要は抱かれてきたということですな。そのように取り計らってくれた鳥羽はなんといい人なんだろう、この人にちゃんとお仕えしようと決めたのだという。
なんとまあ、鳥羽はそんなつもりで言ったのではなかろうに、そんなことがあったとは。そして、それをしれっと鳥羽に告白するとは。しかも、その話を聞いた鳥羽が取り乱している様子を見ても、何が起きているかさっぱりわかっていない。なんという天然ぶり。傷ついた鳥羽院は、璋子の計らいで新しく宮中に勤めるようになった得子を強引に抱く。
それにしても、鳥羽が得子をモノにする場面は結構あからさまだ。そういう場面は嫌いじゃないし、深夜ドラマならもっとどぎつい場面がいくらでも出てこようが、大河でそういう場面を見たいとは思わないなー。せっかく面白いドラマなのに、あまり下品にしないよう、NHKにはくれぐれもお願いしたい。
清盛は、そろろろ大人の振る舞いをするかと思えば、こちらはこちらで依然として甘ったれたお坊ちゃん全開である。後を継がなくてもいいし、大人に媚を売る必要もないが、もう少し人を説得するすべを覚えてもらいたいもの。
さて、西海における海賊の跋扈は無視できないほど大きな問題となり、平氏に追討令がくだった。名を挙げるチャンスといきり立つ平氏一族。清盛も初陣である。海賊の正体は飢饉に苦しむ農民や漁師たちだが、鍛えに鍛えた武士の力をもってすればやっつけるのは簡単と吹聴する幹部連中に、鱸丸が「海は怖いから十分気をつけるように」と進言する。
が、この進言を、多くの幹部は武士に対する侮蔑と取り、怒りを鱸丸にぶつける。それに対して清盛は「なに!」といって殴りかかろうとするだけ。「海を舐めるとえらい目に遭う。鱸丸は俺たちのことを思って忠告してくれたのだ。謙虚に受け止めろ!」ぐらいのことを言えよ。
実際、海には海の闘い方があろう。馬は使えず、矢も風に流される。地元の漁師を味方につけて、せめて海の流れや風の向きを聞くとか、そういう情報収集をしておかないと、全滅の可能性もあるぞ。
リンク
- 大河ドラマ『平清盛』第5回「海賊討伐」(酒と漫画と歴史と腐女子、2012/02/05)
- 平清盛 第5回「海賊討伐」(2004−12日記、2012/02/06)
- 『平清盛』第5回(ヒマラヤスギ雑記、2012/02/06)
確かに、清盛だけ人物像がはっきりしない。次回、鱸丸の助言を無視した他の軍勢が総崩れする中、鱸丸と綿密に準備を重ねた清盛の軍のみが圧勝を飾る……というようになると面白いと思うが、今回のラストを見る限りでは、清盛は一軍を率いる大将格というわけではないから、こういう展開も難しいかな。
- 第5回 海賊討伐(すだち記録帳、2012/02/05)
- 『平清盛』 第5話「海賊討伐」(moonshine、2012/02/06)