窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

確かにすごい職権濫用だ……「Black & White/ブラック & ホワイト」

ヤング≒アダルト」という映画を観た時のことを思い出した。映画を観たこと自体は悪くはなかった(時間やお金の遣い方という点で)。しかし作品の評価となると……

題名Black & White/ブラック & ホワイト(原題:This Means War)
監督マックG
出演クリス・パイン(FDR)、トム・ハーディ(タック)、リース・ウィザースプーンローレン・スコット、ヒロイン)、チェルシー・ハンドラー(トリッシュ、ローレンの友人)、アンジェラ・バセット(CIA上官)、他
公式サイト映画「Black & White / ブラック & ホワイト」オフィシャルサイト 4月20日公開 TOHOシネマズ 日劇他 全国ロードショー
制作USA(2012年4月20日公開)
劇場新百合ヶ丘:ワーナー・マイカル・シネマズ

粗筋

タックとFDRはCIAの捜査官。常に二人組で行動し、互いの命を預け合う、固い信頼で結ばれた間柄だ。タックは離婚歴あり、FDRは結婚歴なくともに独身。

ある時、(FDRがけしかけもあって)タックは出会い系のサイトに登録、そこで知り合った女性とデートすることに。素敵な女性で、一目で気に入る。

タックに当てられたのか、FDRはレンタルビデオ屋で目を付けた女性をナンパするが、あっさり振られる。その気の強さが却って気に入り、彼女の職場まで押しかけ、強引にデートの約束を取り付けることに成功。

ウキウキ気分の二人が、彼女の写真を互いに相手に見せると……それはどちらも同じ人・ローレン・スコットだった。そこから二人の強奪戦が始まる……

感想

設定は悪くないし、ユーモラスでもあるのだけど、とにかく品がない。

  • ローレンは男のことを一から十までトリッシュに相談して意見を求める。自分の彼氏のことだろ? たまに友人に会った時に報告する程度ならともかく、デートの内容を微に入り際にわたり……自分の言動がこんな風に細大漏らさず筒抜けになっていると知ったら、僕だったらやり切れない。
  • トリッシュトリッシュで、さっさとセックスしろ、二股は悪いことじゃない、などと炊きつける。この人の頭の中にはセックスしかないのか? 表現も直截的で聞くに堪えない。これは翻訳の問題もあるかも知れないが……
  • 最大の問題はタックとFDR。彼女のことを知りたいから、とはいえ、彼女の部屋にこっそり忍び込んで盗聴器や監視カメラをいくつも設置し、彼女の日常生活やデートの様子をすべてチェック。ストーカーもいいところで、気持ち悪いというか、恐ろしいというか。CIAが盗聴や監視、傷害や器物破損に当たるような行為をしても、ぎりぎり容認されるのは、それが国益に叶うと判断されるからだ。手伝わされる他のCIAのメンバーだってわかっていただろうに、なぜ止めない?

そんなわけで登場人物に感情移入ができず、醒めた目で眺めていた。

女をめぐって険悪な関係になり、友情にひびが入るが、「事件」が起きて命の危機に陥り、協力してそれを突破することで再び信頼関係が戻ってくるという、ベタではあるが、なかなかいい筋立てなんだけどな。

日本語タイトル

原題「This Means War」は、訳せば「これは戦争だ」だろうか。なるほど確かに内容をよく表わしている。邦題は原題に即して付けなければいけないとは思わないけど、「ブラック & ホワイト」ではありきたりすぎて、ちょっと何とも。今は「いかに検索されやすいか」というのも重要な基準だと思うが。

配役

リース・ウィザースプーンがあまり魅力的に見えず、大の男ふたりが命懸けで奪い合うほどの女か!? と思っていたのだが、今ハリウッドでギャラの高額な、トップ女優なんだそうで。