窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

NHK大河第22話「勝利の代償」

今回の脚本はまさに神である。

出演

  • 矢島健一藤原教長
  • 中川大志源頼朝、少年期)←以前から登場していたが名前がわからなかった ←のちに登場する青年期の役者。幼少時を演じたのは誰?
  • 高橋愛(経子(つねこ)、藤原成親の妹)←前々回から登場していたがこんなに何度も出てくるとは思わなかった。のちの平重盛の妻だそうで。
  • 窪田正孝平重盛、清盛の長男・明子の子)←以前から登場していたが書いてなかった ←のちに登場する青年期の役者。幼少時を演じたのは誰?
  • 渡部豪太平基盛(もともり)、清盛の次男・明子の子)←以前から登場していたが書いてなかった ←のちに登場する青年期の役者。幼少時を演じたのは誰?
  • 登場人物の紹介に関しては、公式サイトは非常に不親切だ!(怒)

粗筋

保元の乱の戦後処理。

崇徳上皇藤原教長に、自分の人生は何ひとつ思い通りにならないと嘆く。

清盛は無事凱旋帰宅。主な者は無事で良かったが、行方不明になった叔父の忠正が気になる。が、家族に「探さないのですが」と訊かれた清盛は「棟梁として、それはできん」と答える。

義朝も無事凱旋帰国。無事で良かったが為義が行方不明。「探さないのですか」と頼朝に訊かれ、「今や父は帝に逆らう賊軍だ。下手に関係を持てば源氏の存続自体が危うくなる」と答える。

頼長はこの期に及んでも籠に書物を積めるだけ積んで逃げようとするが、残党狩りに襲われ、散らばった本を拾おうとしているところ、首に矢が刺さり、瀕死の重傷を負う。行くところのない頼長は父・忠実を頼るが、忠実は、頼長が心配で頼長に会いたい気持ちをぐっとこらえ、ここで頼長を助ければ自分が罪に問われ、藤原摂関家自体が潰れる可能性があると、心を鬼にして追い返す。父に拒否されたことを知った頼長は、舌を噛み切って死ぬ。

頼長が飼っていたオウムが忠実の屋敷に紛れ込む(まだオウムの出番があったのか)。「父上……父上……」と呟いたあと、息絶える。そのオウムを見た忠実は号泣する。

忠正一族が伊藤忠清に捕らえられて清盛の元に送られてくる。お咎めを恐れる盛国は「配慮に欠ける」として忠清を責めるが、清盛は、自分が命じたのだと言う。平氏には忠正の力がこれからも必要なのだと。それからしばらく、忠正は清盛の屋敷で穏やかな日々を過ごす。

為義も捕らえられ、義朝の屋敷に連れてこられる。関わりを恐れ、誰がこんなことをしろと言った! とわめく義朝に、由良姫は「私が命じました」ときっぱり。「私は頼朝に、父を敬えと教えております。それなのにあなたが手本を示してくださらなくては」と。さすが正妻の貫録。

由良は為義に、「このたびの手柄で、義朝殿は殿上人になりました」と告げる。為義は「そうかそうか……」と微笑む。

清盛は信西に、忠正への寛大な処分を依頼する。平氏のためを思ってしたことで、帝に対する不忠義ではないと。武士の力を示したことだし、自分が頼めば言うことを聞かざるを得ないと考えたのだろう。しかし結果は「斬首」であった。

感想

頼長が矢で射抜かれた時の演技が実にうまかった。本当に射られているわけではなく、普通、自分で飛び退くため動作が不自然になってしまうものだが、本当に射抜かれたように見えた。その後の半死半生の顔。射られて肉体的につらかったのもあろうが、自分の立場を実感するに及んでの精神的なものもあるだろう。蒼白な顔がもうね。山本耕史はここで退場だが実に印象的な最期だった。

断腸の思いで頼長の助命を断わった忠実だが、オウムを見て号泣する場面は驚いた。これまでほとんど表情を出さず、目を動かす程度の静かな演技に押さえてきた國村隼だが、はじめて動揺を身体で表わしたからである。本郷先生によると、この泣き叫ぶ場面を効果的にするために、これまでひたすら押さえてきたとのこと。すさまじい。

ハイライトは、由良から義朝が殿上人になったことを聞かされて喜ぶ為義だ。この小日向文世の笑顔がもうね。万感迫るよね。息子を殺され、つい数日前は直接斬り合った義朝だけど、やはり嬉しいのだ。源氏の行く末がとかいうこともあるだろうけど、義朝が成長し出世することは、父として何より嬉しいことなのだ。

タオルの用意をしておくべきだった。来週はバスタオルが必要との噂もあるが。

今日の義朝&清盛

うっかり清盛に向かって「友……」と言いかけてしまい、あわてて、「な、なに言ってんだよ、俺はお前のこと友だなんて全然思ってないんだからねっ」とツンデレ義朝。今回唯一のギャグパート担当。

「それにしてもむさくるしい髭だのう。その刀で剃ったらどうだ。そうだ、いっそのこと友切ではなく髭切りとでも名を変えたらどうだ。わっはっは」

とひどいセリフを投げつける清盛だが、あとで調べたら、源氏由来の「友切」は義朝の時代に「髭切」に名前を変えたそうだ。えっ、これ史実にひっかけたギャグなの。

今日の信西

ますます腹黒くなっていく。阿部サダヲが実にいい。

今日の由良(?)

番組が終わったあと、プレミアムドラマ「恋愛検定」(BSで放映開始)の番組宣伝が流れた。ここに田中麗奈が出演するらしいが、なにせ平清盛終了直後なだけに、おいおい、由良姫、なに恋愛検定なんかやってんだよ、と全国のお茶の間で突っ込みが入ったに違いない(笑)。

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