窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

NHK大河第21話「保元の乱」

出演

  • 藤本隆宏伊藤忠清)←以前から出てたけどこれまで書いてなかったので
  • 土平ドンペイ(伊藤忠直、忠清の弟)←先週から登場

粗筋

賀茂川を挟んで白河殿(上皇方)と高松殿(帝側)に分かれ対峙する。帝側は夜討をすることに決め、白河殿を攻める。清盛 vs 忠正、ガンダム為朝 vs 伊藤忠直、朝義 vs 為義などの小競り合いを重ねるが、結局御所に火をつけて上皇方の勝利。

感想

見所はあったものの、全体としてはイマイチ。昨年のように、そもそも戦闘を描かない大河は問題外としても、戦闘の描き方に慣れていないのかなという気がする。

射掛けたり、刀を抜く前にのんびりと声を挙げるのは、当時の習慣だったとしても、重たい刀剣を振り回し、斬り合いをしながら能書きを長々と喋るのは漫画の手法か、迫真性を欠く。

劣勢の上皇方の中で孤軍奮闘したのが為朝のはずで、実際ドラマでも一人気を吐いていたが、彼の射た矢で二人同時に死ぬとか、槍を振り回したら三人くらい同時に死ぬとか、もっと見せ場があっても良かった。

帝側は上皇方の不意を突いて夜襲をしたにも関わらず、上皇も頼長も起きていたし、兵隊もちゃんと鎧を着ていた不思議。翌日の日中が勝負だと考えていたのなら、塀も将も、その晩はぐっすり寝て英気を養わなければならない。寝ていたら、来襲に気づいて、起きて、着替えて、……の間に敵がどんどん攻めて来よう。そういう「攻めた側の有利感」というものが伝わってこなかったのは残念だ。

私たちの義朝

見所は、信西が義朝に「手柄を立てたら恩賞を与える」というと「私はこの戦で死ぬ覚悟、死んでから恩賞をもらってなんとしましょう。今ください」といって身分を与えてもらい、軍議に加わることに。玉木宏、本当にうまくなった。決死の覚悟、ただ死ぬだけではなくて、やることをやり切りたいという覚悟がビシビシ伝わってくる。自分の作戦で兵を動かすのでなくては悔いを残す。作戦会議に加わるためには身分が必要だと。

私たちの頼長

帝側では義朝が、上皇側では為朝が、夜討を提案する。頼長、信西とも孫子を引き合いに出すものの、頼長は「田舎者の臆病な先方」として退け、信西は受け入れる。この軍議の様子がうまく対比して描かれ、頼長の素人ぶりを浮き彫りにしていた。のちに軍勢が攻めてくると鸚鵡を抱いて右往左往。臆病者は誰だったかを周囲に晒したわけだが、とりもなおさず、貴族から武士に徐々に移行していく一風景でもあった。

なぜか、着替えでも金銀でも刀でもなく、オウムを抱いて逃げまどうところに頼長の狼狽ぶりがよく表われていた。ここでオウムかよと思ったら、よりによってそのオウムが「頼長様の才は古今和漢、比類なきもの……」と喋るとは。これは以前、信西が頼長に言ったセリフらしい(記憶にないけど)。

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