年に数本の映画を観ていた時は、たまには映画でも観るか、と思った時に上映している映画を調べてその中の面白そうなものを観る、ということが多かった。
もう少し観る回数が増えると、次に何を公開するかという情報も入ってくるようになる。そうすると、あれが面白そうだから、公開されたら観ようかな、と思うようになる。こうした時は、公開されたらできるだけ早いうちに(できれば最初の週末に)観るようにしていた。
なぜかというと、僕は観ようと思っている映画は、できるだけ先入観なしに(もちろんネタバレもなしに)観たいのだが、公開されると、それを観たという人の声が周囲に出回り始め、それをシャットアウトするのはかなり苦労するからである。もちろん、自分が映画を観たら、それを観た人と感想を言い合ったりしたい。だから、他人のブログを読んでいて「〜を観ました」と書いてあったら、その記事はすっ飛ばす。後日、映画を観終わったあとで、自分がよく読みにいく人で、この作品を観た人がいたなあ、誰だったかなあと探すのだが、見つけるのに苦労する(大概は見つからない)ことが多い。
ところで、最近になって、試写会というものを覗いてきた。厳密には人生で二度目だが、33年ぶりだから、ほとんど初体験みたいなものである。舞台挨拶に主役の物真似合戦まであって楽しめたが、無料で観られるのが魅力、ぐらいにしか考えていなかった。無料で観られたのだから、その分宣伝しましょうと、twitterやブログで面白かったことを強調したが、話はそれだけではなかった。
公開が近くなると、いろいろなニュースサイトなどに映画の情報が載るようになる。映画そのものの紹介だったり、主要な役者さんのインタビューだったり、その内容はさまざまだが、想像をはるかに上回る露出があってびっくりした。恐らくこれまでは、そうした記事を見つけても、作品を観る前に余計な情報を頭に入れたくないから無意識のうちに無視していたのだと思う。今回は、既に作品を観ているから、何が書かれてもへっちゃらである。むしろ余韻を楽しむため、意図的に探していたせいもあって、あれこれ目についたのだろう。
当然のことながら、役者さんのインタビューや原作者による記事は、作品世界にいっそうのめり込めるので、とても楽しく読むことができた。主催者側がtwitterなどで熱心に情報公開していたこともあるが、公開に向けて自分の中でどんどん気持ちが高まっていくのを感じた。まさに「踊っている」状態だった。
もちろん、同じ阿呆なら踊らにゃ損である。今回は試写会から始まって、映画に「踊る」体験ができたのは貴重な経験だった。なかなか時間に余裕がないとできないけど、機会があればまた体験してみたいものだ。
過去記事
- 試写会に潜入せよ!(2012/05/22)