2010年11月13日放映。以前から評判がよく一度見たいと思っていたが、間もなく映画公開なのであわてて予習。
出演
- 竹内結子(姫川玲子、警視庁捜査一課捜査十係主任)
- 岡本あずさ(姫川玲子、高校時代)
- 西島秀俊(菊田和男、姫川班)
- 宇梶剛士(石倉保、姫川班)
- 桐谷健太(大塚真二、姫川班)
- 渡辺いっけい(橋爪俊介、警視庁捜査一課管理官)
- 高嶋政宏(今泉春男、警視庁捜査一課捜査十係係長)
- 遠藤憲一(日下守、警視庁捜査一課捜査十係主任)
- 生瀬勝久(井岡博満、所属はよくわからない。姫川班ではないのか?)
- 林遣都(北見昇、研修中のキャリア)
- 武田鉄矢(勝俣健作、警視庁捜査一課捜査五係主任・通称ガンテツ)
- 津川雅彦(國奥定之助、監察医)
- 手塚理美(姫川瑞江、玲子の母)
- 国仲涼子(佐田倫子、殉職した刑事)
- 田中洋之助(深沢康之、死体遺棄担当)
- 谷村美月(深沢由香里、康之の妹)
- マギー(尾室、由香里の主治医)
- 山本浩司(金原太一、最初の犠牲者)
- 山崎直樹(滑川幸男、二人目の犠牲者)
- 鈴木浩介(田代智彦、滑川幸男の友人)
粗筋
姫川玲子は若くして主任を務める優秀な刑事だが、署内では風当たりが強く、橋爪からは「お嬢ちゃん」などと馬鹿にされ、また日下、勝俣など敵も多い。が、今泉など理解ある上司もいる。また姫川班のメンバーからは強く慕われている。
貯水池のそばに金原の死体が遺棄されているのが見つかった。これは池に捨てようとしたものであり、池の中には他にも死体があるはず、という玲子の予言をもとにさらってみると、実際に滑川の死体が発見された。事件は連続殺人事件の様相を呈してくる。被害者の関係を追ううちに、「ストロベリーナイト」という公開殺人ショーの存在が浮かび上がってくる……
感想
いやー面白い! ドラマの面白さを堪能した。2時間超と少々長いが、長さに見合う内容があった。
玲子の性格付けがいい。「交渉人」の宇佐木玲子にも通じるものがあるが……そういえばどちらも「玲子」だな……宇佐木玲子と違って、ちゃんと出世していて部下もおり、部下からの信頼は厚い。特に菊田、石倉は玲子より歳上であるにも関わらず、玲子を尊敬し、玲子を立てている。こうした点は宇佐木玲子より恵まれている。しかし高校時代に暴行を受けた経験があり、その恐怖の記憶にいまだ苦しめられている点は宇佐木玲子より悲惨ともいえる(宇佐木玲子にも悲惨な過去はあったが)。
徐々に解き明かされていく謎の不気味さ、玲子が刑事になろうと決意した経緯、ガンテツの執拗な嫌がらせ、なぜかデスクワークを命じられた菊田が重要な情報を入手するや飛び出していく場面など、畳みかけるような面白さだが、何より真犯人が意外であった。真犯人というか、殺人の実行犯は、実は割と早い段階で想像がつくし、実際想像通りであった。普通に考えたら真っ先に調べなければいけない人を、警察は真面目に調べている風がないし、玲子が調べようとしても邪魔が入って調べられない。怪しいと思う。が、その人の裏で糸を引いている人は実に意外な人物だった。
少々ネタバレになるが、実はこの「真犯人」はかなり早い段階で画面に登場している。視聴者は最初から知っているが犯人とは思わなかったわけで、ミステリーのお手本のような作品である。まさに「よくこそ騙してくれました」である。
ラストで玲子がちょっと気弱になるところも、それをガンテツに励まされるところもいい。ガンテツの玲子に対する執拗な嫌がらせは、単なるハラスメントの域を超えて犯罪的ですらあるが、案外後味は悪くなかった。
ただし不満がないわけではない。
- 一話完結のスペシャルドラマにしては、ちょっと登場人物が多過ぎる。日下などは玲子の因縁の相手らしいのだが、これといった見せ場もない。この役は不要だったのではないか。
- 高校時代の玲子役を岡本あずさが担当したが、別の人である必要があったかどうか。大河ドラマで10歳前後から大人の役者が演じるのを見慣れていると、18歳なら当時30歳の竹内結子で(髪型や服装を変えれば)十分できただろうと思う。顔が似ていないから同一人物だとわかるまでにちょっと時間がかかったが、何より声質が異なるため、最後まで違和感があった。
- 本来池に沈める予定だった金原の遺体を放置してしまった件、玲子の推理にガンテツが「素人だ」と馬鹿にするが、真相は玲子の言う通りだった。しかしこの件はガンテツの言い分の方がわかる。もう少しちゃんとした理由を考えてほしかった。
- 深沢の両親は不審死として調べられたが、薬物中毒という結論となった。が、実際は由香里が殺していたのだった。いくら火事で死体が焼けたからといって、刺殺を薬物中毒と間違えるはずがないと思う。そうしたいのなら、もう少しうまい説明がほしかったところだ。
配役
竹内結子はじめ、西島秀俊(「アンフェア」「八重の桜」)、宇梶剛士(「ガン・クレイジー」「ワイルド7」ほか多数。最近では「平清盛」)、渡辺いっけい(「ガリレオ」)、高嶋政宏(「はやぶさ」)、遠藤憲一(「クライマーズ・ハイ」「平清盛」)、生瀬勝久(「TRICK」)、林遣都(「荒川アンダーザブリッジ」)、武田鉄矢(「幸せの黄色いハンカチ」)、津川雅彦(「交渉人 THE MOVIE」)など、よく知っている役者さんがおおぜい登場したのは嬉しかった。僕の場合、こういうことは珍しい。最近は映画を(邦画も)ソコソコ見ているので、こういうことも増えていくかな。
佐田倫子が国仲涼子とは気づかなかった。もう一度見たけど、「風のガーデン」の二神香苗と同じ人だとは思えない。
桐谷健太は見たことがあるような、ないような。「龍馬伝」で池内蔵太をやっていた人だ。
谷村美月は知らなかったが、調べてみるとまだ若いのに出演作品は多く、しかも主演が多い。5年前に「おろち」の主役を務めているが、「おろち」が映画化されていたのか! 見たかった! 「八重の桜」でも小田時栄役で出てくるようだ。
鈴木浩介は「交渉人」でSITの無線係だった。そういえばかすかに記憶があるような。
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