NHK大河第31回「離縁のわけ」

出演

粗筋

三組の離婚劇。

尚之助から八重の許に離縁状が届く。理由は触れていない。実はこの時尚之助は、米の買い付けにいって詐欺に遭い、取引先から訴えられていた。訴訟に負けると斗南藩は3000両もの借金を背負うことになり、そうなれば潰れるしかない。それを回避するため、尚之助は、藩命ではなく自分の一存でしたと主張していた。恐らくそれに八重らが巻き込まれることを恐れ、離縁に踏み切ったのだろう。

八重は言う。苦労しているなら一緒に苦労するのが夫婦ではないのか。何か事情があるのだろうが、何も話してくれなければ何もわからない。三行半を突きつけられたら従うしかない――

梶原平馬も二葉を離縁し家に帰るように言う。自分はすっかり抜け殻になってしまい。妻を養うこともできないのだと。

八重たちのところへ覚馬からの使いの者が来る。会津から米沢に移っていたため探すのに手間取ったと。覚馬はもう死んでいるのではと半ば諦めていた八重らは狂喜するが……母や妻に宛てた手紙は覚馬の字ではなかった。うらは「女の人がいるのですね……?」と問い詰め、使いの者は、時栄さんとの間に子が生まれたと告げる。

佐久、うら、みね、八重らを京に引き取りたいという覚馬の申し出に乗ることにしたが、うらは自分は行かないと言い出す。女の意地だと。そして一緒に米沢の家を出て一人会津に向かう。

一方、目出度い話もあった。日向ユキは斗南に行っていたが、雪の中を行き倒れてしまう。それに気づいた斎藤一が自宅に運び込む。斎藤は時尾といつの間にか一緒に暮らすようになっていた。意識を取り戻したユキは、いったんは命を救ってくれたことに感謝するが、斎藤が新選組だと知ると、会津がこんなにされたのは新選組のせいだ、新選組が京でやり過ぎたから長州の恨みを買ってここまで叩き潰されることになったのだと非難する。時尾は、斎藤らは命を賭けて最後まで会津と一緒に戦ってくれたのだと反論する。

雑感

三組の離縁劇を一気に見せ、対比させたのは(辛かったけど)面白い構図だった。会津戦争後は離縁したところが多かったという。離縁される側にとってはひどい話ではあるけれど、ぞれぞれが已むに已まれぬ事情があったということだろう。

とはいえ覚馬の行動には賛否両論分かれるところだ。覚馬は、目が見えなくなり、足もまともに動かないとなると誰かの助力がなければ日常生活もままならないわけであり、献身的に世話をする時栄とデキてしまっても咎められないだろう。愛人に子を産ませることが倫理に反する時代ではないわけで、うらを呼び寄せ妻妾同棲の生活を送ることに、覚馬は疑問を感じてはいなかったに違いない。

ただし、あまりにも説明が足りなさ過ぎたと思う。目を悪くしていたことを頑なに秘密にしていたが、少なくとも京に呼び寄せる際に、失明したこと、長い牢暮らしで足も動かなくなったことなどを順に説明し、一人では生活できないから身の回りの世話を頼んでいる女性がいることや、母や妻の消息を尋ねていくことが難しかったことなどを順に説明すれば、それなりに納得してもらえたはずである。いきなり子がいることを知れば、うらが意地を張るのは当然だ。

言葉が足りなさ過ぎる点は、尚之助も同罪。「わざわざ言葉にしなくても、気持ちは通じる」というのは、少なくとも男女の間においては間違いだと自分は思う。

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