二回観ても圧巻の物語「キャプテン・フィリップス」

題名キャプテン・フィリップス
劇場TOHOシネマズ ららぽーと横浜

雑感

当たり前だが2回観るといろいろと細かいことに気づく。冒頭でフィリップは妻に、自分の頃は楽だった、真面目にコツコツやっていれば誰でも船長になれた、と言うが、ソマリア沖を通過することを知って海賊情報を調べたり、船を点検して回って鍵のかけ忘れの箇所を見つけたり、避難訓練を実施したりする姿勢は仕事人として一流で、なかなか真似のできないことである。*1

ムセたちにとって、海賊行為を成功させるにはどのような選択肢があっただろう。フィリップは「3万ドルを手にして黙って帰ればよかった」という。3万ドルではとても足りないというムセの側の事情はさて措き、3万ドルで彼らが手を引いたとして、アメリカ側は彼らをすんなり帰しただろうか。3万ドルぐらいではわざわざ海軍が出張ってきたりはしなかったかも知れない。しかし、かねてから海賊によって運輸が妨害されていることを苦々しく思っているアメリカ側としては、これを好機と追いかけて行って攻撃するかも知れない。そうさせぬために、海賊側としては人質はほしかっただろうと思う。

フィリップは人質でいる間、怒鳴られたり殴られたり、かなりひどい目に遭った。アメリカ軍はその様子をモニターしていたわけで、このままではキャプテンの命が危ないと思っただろう。それが最後の「判断」につながるわけだが、では彼らがフィリップに紳士的に接していたらどうだったであろうか。軍部は、初めからこのような形での決着を決めていたように思うが、手を出していなければ実行は躊躇したかも知れない。まあ狭い救命艇に5人も乗り込み、満足な水も食料もないまま何日も過ごせば誰しもストレスが昂じるのは避けられず、その捌け口がフィリップに向かうのはやむを得なかっただろう。疑り深いムセが、ナジェでもわかるほどの見え透いた嘘に騙されてアメリカ軍に捕らわれたのも、これ以上救命艇の中にいたくないという心理が働いたからではないだろうか。

アラバマ号にとっては、海賊と闘わず、一蹴できれば一番良かった。積み荷を積んだ輸送船だからさほどスピードが出ないのは仕方ないとしても、あんなちっちゃなオンボロボートにすら追いつかれるとは、ずいぶんとノロマである。あれ以上のスピードは出なかったのだろうか? それだけは疑問だった。

今日の英語

  1. OK.(お待たせ)〔リチャード・フィリップを空港へ送るためにアンドレアが登場した場面で〕
  2. The world's moving so fast.(世の中を動きが早すぎて)
  3. Is that?(それだけ?)〔海賊を見つけ救援を求めるも……〕
  4. Irish, look at me.(おれを見ろ)〔ムセがフィリップに〕
  5. Captain is free. All of your friend is dead.

*1:僕は、何か突発的な事態が起きた時に超人的な判断力や行動力で事態を収拾させる人より、平凡な人間が出来る限りの準備をし、考えられる限りの手を打ってコトに臨む方が好きである。また後者の方がトータルで好成績をあげるのではないかと考えている。本作のフィリップのように両方兼ね備えていればいうことないわけだが。