名作はいつまでたっても名作「ターミネーター」

ふと気づいたら、いくつかの映画館で「ターミネーター」が上映されている! 「大脱走」の公開に合わせた復習上映か? 一度劇場で観たいと思っていた。このような企画は大歓迎だ。ついでに「ランボー」も上映してほしい。

題名ターミネーター(The Terminator)
監督ジェームズ・キャメロン
出演アーノルド・シュワルツェネッガーターミネーター(T-800))、マイケル・ビーン(カイル・リース)、リンダ・ハミルトン(サラ・コナー)、ポール・ウィンフィールド(トラクスラー)、アール・ボーエン(ピーター・シルバーマン、精神科医)、他
制作USA(1985年5月25日日本公開)
時間108分
劇場TOHOシネマズ 六本木ヒルズ

内容紹介

1984年5月12日、ロスにターミネーターとカイル・リースがやってくる……

雑感

テレビの地上波放映やビデオのレンタルでは既に何度も見ていて、DVDも買って持っているが、やはり劇場で観るのは違う。最初から最後まで全く飽きることなく、ハラハラしながら観ていた。

SF映画であり、サスペンス映画なんであるが、なんといっても恋愛映画なんだよな。サラ・コナーの命を守るため、カイル・リースは文字通り裸で、単身過去の世界にやってくる。元の世界に戻ることは二度とできないのに! ろくな武器もなく、ターミネーターに勝てる保証はどこにもないのに! この人のためなら命を捨ててもいい、と若い時は簡単に考えるが、実際には、他人のために自分の人生を賭けるということはそうそう簡単にできることではない。カイルはそれをしたのだ。

ストーリーの構築が絶妙。ターミネーターはサラ・コナーの名前とおよその居住地しか知らないから、同じ名前の人間を片端から殺していく。われらがサラの部屋も訪れるのだが、部屋を占領していた友人のジンジャー(およびその彼氏)をサラと勘違いし、彼らを殺して次に行こうとする。そこにサラから電話があり、留守電に吹き込まれる――変な男につけられている、迎えに来てほしい。店の場所は……と。部屋を物色してパスポートを探し、サラの写真を入手するから、いずれにしても間違いに気づいただろうが、少なくともサラの居場所を探すのは苦労しただろうに。「あっ、バカ!」と観客が思わずため息をつくシーンである。

同じようなシーンはもう一回ある。ターミネーターを大破させ、治療(修理)している間に少し遠くへ逃げ延びて、モーテルに腰を落ち着ける。ここでしばし休息を取り、武器を製作し、ターミネーターや未来の世界の情報をカイルがサラに伝える。そしてもちろんここで、一度だけ愛の交歓を行なう重要な時間だが、またしてもサラが、よりによってターミネーターに直接、自分たちの居場所を伝えてしまうのだ。せめてもう一日あれば、もう少し状況を有利に持ってこれたかも知れないのだが……

しかし、このターミネーターが人間の、しかも女性の声をコピーできる能力があるとは、サラは(観客も)思わなかったし、こんなに短期間に母親のところに達しているとも思わなかったわけで、もちろんサラを責めることはできない。むしろ、ターミネーターってそんなにすごい奴だったのか! と観ている側が驚愕するシーンだ。

もともと彼我の力量の差は歴然としており、他人の助けはあてにできない。逃げても逃げてもすぐ見つかる。そして感情移入していたカイルもあっさり殺されてしまう。この畳みかける展開が素晴らしい。当初は何が何やらわからず戸惑っていたサラが、事情を理解し、闘う決意を固めていく変化も見応えがある。結局、最後はサラがやっつけるわけだから。

ラスト、ガソリンスタンドで子供がサラの写真を勝手に取り、売りつけるシーンも秀逸。その写真は未来のカイルがずっと大事に身につけていたもので、(わかっていても)その絵を見ると涙が出てくる。

画質も、30年近く前の作品とは思えないほどクリアだ。一週間しか上映されていないが、もう一回観られないものか。

配役

  • シュワルツェネッガー若い。眉毛を剃った能面のような顔は異様な迫力がある。表情の変化がないのもいかにもロボットらしく、こうして性格づけられたターミネーターが何十年も人の心を捉えているということだろう。見事なキャラだ。
  • マイケル・ビーンは28歳。本作では主人公ともいえるが、死んでしまったため以後のシリーズで出演はなく、その後もパッとしない(ように見えるが穿ち過ぎか)。
  • リンダ・ハミルトンマイケル・ビーンと同じ28歳だがもう少し年上に見える。アルバイト先のレストランの制服は似合っていない!

今日の英語

  1. My turn.(おれの番だぞ/冒頭で不良が望遠鏡の取り合いをしていて)
  2. Terminator is out there!ターミネーターが狙っているんだ/カイルがサラに)
  3. I'll be back.(また来る/シュワルツネッガーの決め台詞とも言われる有名なセリフだが、本作では、警察に保護されたサラに面会を申し出たターミネーターが、断わられた時の返事で、さほど印象的な場面ではない)
  4. "Your first name?" "Kyle"(「下の名前は?」「カイルだ」)
  5. Tell me about my son.
  6. Keep this.(持ってて/カイルがサラに拳銃を渡して)