「バック・トゥ・ザ・シアター」企画。「午前10時の映画祭」と違って夜にも上映してくれるのでありがたい。
題名 | レオン(完全版)(仏題:Leon、英題:The Professional) |
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監督・脚本 | リュック・ベッソン |
出演 | ジャン・レノ(レオン・モンタナ、殺し屋)、ナタリー・ポートマン(マチルダ・ランドー)、マイケル・バダルコ(ジョセフ・ランドー、マチルダの父)、ゲイリー・オールドマン(ノーマン・スタンスフィールド、麻薬捜査官)、ダニー・アイエロ(トニー、レオンの世話役/レストラン経営)、他 |
制作 | フランス、USA(1995年3月25日日本公開) |
時間 | 133分 |
劇場 | TOHOシネマズ日本橋(スクリーン4/119席) |
内容紹介
マチルダは、父親からは虐待され、姉(腹違い)からは虐められ、母(血のつながりなし)からは無視され、弟だけを可愛がる孤独な生活を送っていた。
マチルダの父のところにスタンがやってくる。預けた麻薬を掠め取った奴がいると。当初はジョセフを疑っていたスタンだったが、ジョセフが否認すると、明日の正午までに犯人を見つけろと言いつけて帰って行く。翌日正午に再びやってきたスタンは、ランドー一家を皆殺しにし、ジョセフが隠し持っていた麻薬を押収。たまたま買い物にいっていて不在だったマチルダだけが難を逃れ、帰宅してすべての事情を察知したマチルダは機転を利かせて隣人の家に匿ってくれと頼み込む。
ランドー家の隣に住むレオンは、実は腕っこきの殺し屋だった。当初レオンは少し休んだら出て行けとマチルダに言うが、今出て行ったら確実に殺される、せっかく助けてくれたんだから最後まで助けろと言い寄り、同居を強引に認めさせる。また、レオンが殺し屋であることを見抜いたマチルダは、弟の仇を討つためにその技術を教えてくれと請う。レオンは拒否し続けるが、ついに根負けして拳銃の扱い方から殺し屋の心構えまでを教授することに。一方、英語の読み書きのできないレオンはマチルダから読み書きを教わって行く。
これまで孤独に生きてきた二人が、初めて互いの存在を愛しいと思うようになっていく。こうして、親子とも恋人ともつかない不思議な関係がはじまる……
雑感
これが「レオン」か……。初回封切時は、映画を全く観ない「空白の10年」の時代だったが、話題になったからタイトルだけは知っていた。こんな話だったとはね。
とにかくナタリー・ポートマン! ナタリー・ポートマンといえばもちろん、「スター・ウォーズ」新三部作のパドメ・アミダラで世界中を席巻し、「Vフォー・ヴェンデッタ」で髪を剃りあげ、「ブラック・スワン」でアカデミー主演女優賞を獲得したあの彼女である。これが映画デビュー作で、米国プレミアの時点で13歳だが、なんといっても芸達者。見事な演技で、これが新人かと驚く。その上、この年齢なのにとにかく美人なのだ*1。
身の回りのものを鞄ひとつに詰めて取るものも取り敢えず逃亡する時に、鉢植えの植木をひとつ抱えていくのでなにかと思ったら、これはレオンの唯一の趣味なのだった。大地に根を張っていないところが自分にそっくりだと言い、毎日朝は日向に出し、夕方は部屋にしまう。そして水をやったりていねいに育てる様子がていねいに描かれる。ラスト、マチルダがその植木を学校の校庭に埋めるシーンはちょっとやられた。秀逸なエンドだ。
ただし、ストーリーにはいくつも疑問がある。
- スタンがジョセフを疑い、明日の昼までに真犯人を見つけろ、と言って去って行った場面。ここでは翌日までにスタンの目を盗んで夜逃げをする以外に選択肢はなかったはずなのに、何もせずのほほんとしていたのはなぜか。仕事に行く新妻(恐らく)を引き留め、今日は休めと言ってセックスを始めるあたりは、特別な何かを感じていたのかも知れないが……。実際、彼自身が真犯人だったわけで、家宅捜査をされればすぐにバレることなんだから、何を呑気にしていたのかと思う。
- マチルダがスタンを襲いに行ってレオンが助けに行き、スタンの部下を殺してマチルダを奪回する場面。スタンは生きて帰れないと思ったがなぜあっさり脱出できたのか不思議。いずれにしてもスタンの目の前で部下を殺しているのだから、スタンが復讐にやってくるのは明らかなのに、なぜ引っ越ししようともせず、のんびり構えていたのか。上記ジョセフには見張りがついていたかも知れない(から夜逃げを企んでも失敗したかも知れない)が、この時点でスタンはレオンが誰か特定できていなかったから、素早く行動に移せば逃げ切れるチャンスはあったのに……
- そもそもマチルダがスタンを襲撃に行った時、ピザの宅配を装ったのはいいが、行き先(スタンの部屋番号)を素直に告げたのはマチルダらしくない。そんなことをしたら相手に連絡が行って警戒されるだけなのに……。まっすぐ部屋へ行く前に、袋の中の拳銃を装備する必要があるが、なぜ男子トイレに入ったのかも謎。女子トイレなら、スタンも簡単に入って来れなかっただろうに……。これまで大人顔負けの知能を発揮していたマチルダが、なぜ肝心要のところで子供に戻ってしまったのか。
今日の英語
- "You mean a hitman?" "Yeah." "Cool."
観客
混んでた。