アナ雪が敗れた理由

先週末に公開された「マレフィセント」が週末興行で1位になり(ついでに「オール・ユー・ニード・イズ・キル」が2位に入り)、3月14日に公開以来3ヶ月以上にわたって首位の座を守ってきた(途中一度だけ2位に落ちたことがあったが)「アナと雪の女王」がついにその座を明け渡した。

とあちこちでニュースになっているが、僕に言わせれば、首位の座を明け渡したのではない。明け渡させられたのだ。

映画館のスケジュールを見てみると、先週末からアナ雪の上映回数が減っている。これまでは毎週末新作が公開されても、大きくていいスクリーンはアナ雪に確保され、残りの中でやり繰りするしかなかったのだが、ここへきて同じディスニーの「マレフィセント」が公開されたため、「大人の判断」が働いたのだろう。

映画を観る場合、事前に「これが観たい!」と思って、上映している劇場や時間帯を調べ、それに合わせて自分の予定を確保し、観に行く……というやり方をする、いわばコアな観客は、それほど多くはないと思われる。多くの人は、仕事が早く終わったから映画でも観て帰ろう、とか、今度の土曜日の午後は彼女とデートだから、映画でも連れて行くか、とかいうように、まず自分の空き時間ありきで、その時やっている映画の中から面白そうなものを選ぶ、というやり方なのではないだろうか。

だから上映回数が多ければ有利だし少なければ不利になる。人気作をいきなり打ち切って批判やクレームが殺到すると困るので、新作を大いに宣伝すると同時に上映回数を少し減らす。これがうまくいって今回は「マレフィセント」が一位、「アナと雪の女王」は三位に落ちた。このことがニュースになったので、世間では、ついにアナ雪も勢いが衰えた、今後はこのままターミネートしていくだろう、という雰囲気になったしまった。こうなれば劇場側も上映回数を減らしやすい。恐らく来週末はもっと順位が落ちるだろう。

こんなことをわざわざ書くのは、こうしたやり方は興行側の都合であって、客の側の都合ではないと思うからだ。これまでにも週末ランキングでベスト10の上位にいるのに上映回数が減らされるという不思議な現象は何度か目撃した。一方で映画館に足を運ぶ人が減っているだの、映画産業の斜陽だのという話も耳にする。こうした時に観客の側の姿勢が問題にされることが多いが、このような観客不在の興行を押し付けるから客からスポイルされている面もあると思うのだ。