窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

TCXならではの迫力!「るろうに剣心 伝説の最期編」

すごいよなあ。こんな作品、よく撮れたなあ。

題名るろうに剣心 伝説の最期編【TCX】
原作和月伸宏
監督大友啓史
出演小澤征悦伊藤博文)、福山雅治(比古清十郎)、丸山智己(悠久山安慈)、他(「京都大火編」に登場した人は省略)
公式サイト映画『るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編』公式サイト
制作日本(2014年9月13日公開)
時間135分
劇場TOHOシネマズ日本橋(スクリーン7/404席)

雑感

謎の男・福山雅治は、剣心のかつての師・比古清十郎だった。剣心は久しぶりに清十郎に稽古をつけてもらうが、全く敵わない。この描き方がうまいなと思った。主人公より強い人が登場した時、その人が強いのではなく、これまで強かったはずの主人公が急に弱く感じられてしまうことが、漫画などでもよくあるが、剣心はちゃんと強くて、ただ清十郎がそれ以上に強いと思えたのだ。

四乃森蒼紫との戦いもよかった。どうみてもこの作品のラスボスは志々雄真実なので、「京都大火編」では相楽左之助を一蹴するほど強かった蒼紫も刺身のツマにされてしまうことを懸念していたが、そんなことはなく、それなりに強い蒼紫を上回る強さを剣心が発揮した、という描き方になっていた。その蒼紫が再登場した時は感動したー。思わず涙ぐんでしまったのだ。こういうキャラの使い方はうまいと思う。

ただし、不満もある。剣心以外の味方の見せ場がほとんどなかったことだ。左之助佐渡島方治と戦った時は一瞬でやっつけてこれだけはよかったが、悠久山安慈との戦いは苦戦し過ぎて、あまりいいところがなかった。当初からずっと偉そうに振る舞っていた斎藤一も、戦いにおいては見せ場なし。せっかく再登場した蒼紫も何しに出てきたのかわからない状態だった。

それに、いくら志々雄が強いからといって、斎藤、左之助、蒼紫らがよってたかって襲い掛かるのはカッコよくないし、それで敵わないから雑魚キャラに見えてしまう。たとえば蒼紫は剣心に代わって瀬田宗次郎を倒す。そして、「お前は志々雄を倒せ! それ以外の雑魚は俺らが引き受ける!」とでも言って、数で勝る敵の雑魚キャラをバッタバッタと倒していけば、強く見えるのに……。

強い人が何人も一度に出て来ると、どうしても起きてしまう。ある程度は仕方ないことだ。

相変わらず戦いのシーンは、スピーディで、アクロバティックで、目を惹きつけられる。制作者たちは「日本のアクション映画の歴史を変えた」と自負しているそうだが、確かにその通りだと言っていいのではないか。