窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第一回「光秀、西へ」

出演

明智
斎藤家
その他

あらすじ

野盗が明智荘を襲ってきた。光秀率いる部隊は必死で防衛し、追い返すが、畑に火をつけられ、米俵を何俵も奪われてしまう。彼らはまた襲ってくるだろう。その時は防ぎ切れるだろうか? また野盗は鉄砲という見たこともない武器を持っていた。防衛軍を率いる立場として自分はあまりにも無知だと感じた光秀は、主君である斎藤道三に願い出て、鉄砲の購入と病弱な小見の方の介護のため医師を連れてくることを条件に、京への旅を許可してもらう。

堺では松永久秀の協力もあり鉄砲を一丁手に入れることができたが、同じく鉄砲の購入に来ていた幕府方の三淵藤英は、弓矢のように連発が効かず、使い勝手も悪い、鉄砲は戦の道具としては使えない、床の間に飾るのならいいが、という。

その後京へ行くと、度重なる戦で町は荒れ果てており、住民は食うや食わずのありさまだった。そこで知り合った駒は戦災孤児で、いつか戦はなくなる、あともう少しの辛抱だと光秀に語る……

戦国の戦

冒頭の野盗との戦闘シーンはかなり迫力があった。特に野盗の一人が(それを追いかけるハセヒロも)地面から家の屋根に駆け上り、隣の家の屋根に飛び移り、その勢いで屋根を踏み抜いて床に転がり落ちる、というシーンはすごかった。ケガなく撮影できたのだろうか?

しかし、いつも思うのだが肝心のところがおかしい。光秀らが陰に隠れて野盗が走り抜けていく横合いから弓矢を射かけたのは良かった。が、野盗らが刀を抜いて向かってきた時に、なぜ弓を捨てて自分らも刀で応戦したのか? 遠間から矢を射かけ続ければ、傷を負うことなく相手を負傷させられたはず。真剣を手にして複数の相手と斬り合えば、どんなに腕が立ったとしても無傷ではいられない。

戦で相手を攻撃する時は、平安時代から、とにかく弓。矢がなくなったら槍。刀なんてよほど近寄らなければ斬れないから実戦では役に立たないのだ。けれども日本人はちゃんばらが好きだというか、ちゃんばらが好きだとドラマスタッフに信じられているせいか、どんな戦国ドラマを見ても必ず刀を抜いてチャンチャンバラバラを始めてしまう。刀を抜いて相手を斬ったのは幕末の新選組くらいのものではないか? おかしいなといつも思う。

その他雑感

  • 珍しく子役を使わず、いきなり本役で始まる。最近だと「真田丸」以来か? そのハセヒロさん、やたらに甲高い声で叫び、テンションが高いが、若さを表現していたのか(恐らく今回の光秀は10代なのであろう。ハセヒロさんは42歳……)。
  • 駒のしゃべり方が現代(21世紀の)娘っぽい。とはいえぎりぎり許容範囲内か?
  • 登場人物が割に派手な色合いの衣裳を着ているのは、今回(大河史上初めて)4K撮影をしているからとのもっぱらの噂。衣裳が綺麗なのは良いが、田畑の黄色や緑も鮮やか過ぎて人工色っぽい。
  • 松永久秀はてっきり光秀の金を盗んだのかと思った。が、ちゃんと鉄砲を用意していた。それならわざわざ酔い潰さなくてもよさそうなものだが……
  • 15分拡大の1時間かと思ったら、30分拡大の75分だった。長過ぎる。
  • 終了直前に(第二回の予告編的に)帰蝶が登場。川口春奈はなかなか可愛くてよいが、このシーンは周囲の人にとっては二度目の撮影かと思うと、思わず涙である。

追記(1月21日)

  • 人身売買や比叡山が勝手に通行税を取ったりとかいうことがありふれた日常として描かれていた(主人公がそれにいちいち怒ったりかばったりしない)のは良かった。
  • 斎藤家が織田との戦の準備中に帰蝶がやってきて参戦するというと、利政が「嫁に行った娘をあてにするほど落ちぶれてはおらん」のように言うのだが、まだ信長に嫁いではいないはずで、ちょっと「???」だった。あとでネットを見てみると、信長とは再婚という最新の学説に基づいているそうな。

追記(1月25日)

  • 1547年と冒頭で宣言されていた。明智光秀の出生年は不明で諸説ありだが、1528年説を採用すると19歳。ハセヒロさんのはっちゃぶりも10代を意識した演技だったと思われる。
氏名 満年齢 役者の年齢
明智十兵衛 19 42
斎藤利政 53 54
斎藤高政 20 44
帰蝶 12 24
松永久秀 39 61


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(2020/1/20 記)