窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第九回「信長の失敗」

出演

あらすじ

1549年、帰蝶が信長に嫁ぐ。が婚礼のはずが帰蝶は一晩すっぽかされる。翌朝やっと戻ってきた信長に「よほど大事なご用があったのですね」と嫌味を言うが、化け物が出たと村人が怯えるので見に行っていたと詫びられた帰蝶は、村人のために尽くす姿勢と、ユーモラスな語り口に興味を持つ。

松平広忠今川義元尾張侵攻を命じられる。が、三河へ戻る途中で何者かに襲われて死ぬ。

信長は帰蝶を連れて末森城へ行く。信秀と土田御前に嫁を紹介するためだ。その時手土産にと松平広忠の首を差し出す。松平広忠を襲ったのは信長の一行だった。信秀は怒り、叱りつける。広忠を殺すことは即、今川に弓を引くこと、そうすれば今川は尾張を攻めて来る。今、今川と戦って勝てるのかと。信長は、父に褒めてもらえると思ってやったのに……と悔しがる。

光安は牧と碁を打ちながら、十兵衛にそろそろ身を固めさせたいと話す。光安は妻木に年頃の娘がいるので、それがよいのではと、十兵衛に妻木家へ米を届けるように命じる。十兵衛は妻木家で煕子に出会う……

今日の信長&帰蝶

帰蝶「信長さまは、お父上がお嫌いですか」
信長「いや。帰蝶は、親父殿が好きか?」
帰蝶「はい、時々大っっっ嫌いになる時以外は」
信長「わしも同じじゃ」
帰蝶「同じ?」
信長「時々大っ嫌いになる」
帰蝶「同じでございますね」

雑感

信長、実質的な初登場。彼の行動原理は、父を喜ばせたい、褒めてもらいたい、それだけなのだが、ピントが外れている。なるほど新しい信長像だ。信長の心情を考えると切ない。誰かもう少し、彼に寄り添ってあげる人はいなかったのだろうか……

帰蝶は、初めて信長の顔を見た時は、腹立ちや、恐れや、気味の悪さなどの入り混じった表情を見せるが、だんだん信長の話に惹かれていき、顔をほころばせる。信長が父に叱られて気落ちして帰って来た時の慰め方は新妻らしい気の利かせ方で、ともに父親に対して複雑な感情を抱いていることを知り、気持ちが通じ合いかける。この一連の気持ちの変化を体現した川口春奈の演技は見事。ほんと、帰蝶川口春奈で良かったよ……

しかし、鉄砲の話からつい十兵衛について話をした時、そこに込められた気持ちに気付いた信長が急に不機嫌になるところも興味深い。

ところで、婚礼をすっぽかした信長も信長だが、帰蝶に食事も出さず、誰も話し相手にもならず、寝室の用意もしないまま朝までほったらかしにした織田家の家中の人もたいがいだ。帰蝶は着替えることも足を崩すこともままならないまま、飲まず食わず眠らずで朝を迎えたのだ。なんのテストだよ!

で、信長は本当は広忠を討ちに行ったので、絶好の機会を逃すわけにはいかないから婚礼をすっぽかさざるを得なかったので、化け物退治の話は作り話だということでいいのかな。

竹千代が金魚を眺めている。当時の金魚はたいへん高価で、金魚を飼っているいるというのは金持ちの象徴なのだとか(NHKのサイトより)。こんなところへ連れて来られて、家族とも会えず、今の自分と一緒だとつぶやく竹千代あわれ。

菊丸はただの農民ではなく、三河(水野配下?)の諜報員だった。

牧は碁が強い。少なくとも光安など問題にしない程度には。光安が弱過ぎるのか?

十兵衛は妻木の家でさんざん飲まされて帰宅。飲んで(酔って)帰ってくるのは大変だ。よく帰って来れたものだ。なおGoogle mapで調べてみると、妻木から明智荘までざっと歩いて4時間ほどの距離。今ほど道が整備されていなかったことを考えると、これ、飲んでなくてもその日のうちに帰ってくるのは無理ではないか? 妻木はなぜ「泊っていけ」と言わなかったのだろう?

配役

  • 於大の方は竹千代が会いたがっていた母。水野信元ともども、この後、出番はあるだろうか?
  • 浅利陽介はやっと小早川秀秋以外の役をつかんだのに、前回の最期に登場して今回の冒頭で死ぬ。短い一生だった。
  • 濱津隆之は、「カメラを止めるな!」の役者が大河に登場と少し話題になったが、今回限りだろう。

登場人物の満年齢(1549年)

氏名 満年齢 役者の年齢
明智十兵衛 21 42
織田信長 15 27
織田信勝 9 31
竹千代 6 9
松平広忠 23 32
煕子 19 32
帰蝶 14 25


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(2020/4/19 記)

*1:現在の刈谷は当時は「刈屋」と表した。1950年以降「刈谷」と表記されることとなった。