窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第十二回「十兵衛の嫁」

出演

あらすじ

京から戻って以来、元気の出ない十兵衛を案じ、光安は左馬助に十兵衛を誘って鷹狩りに行くよう提案する。それも妻木の方面が良いだろうと……。そう言われて察した左馬助がわざと十兵衛を置き去りにしたわけでもないのだろうが、ぼーっとしていて一人になってしまった十兵衛は煕子と再会。十兵衛は煕子に嫁に来ないかと(唐突に)誘う。

末盛城では信秀の病状がいよいよ悪化し、信長と信勝を呼び、信勝に末盛城を譲ると宣言。佐久間盛重をつけるという。信長にはこれまで通り那古野城をと。信長は、末盛城なら今川ににらみを利かせることができ、頑張り甲斐もあるが、那古野城で何を頑張れというのかと不満を口にする。信秀が、那古野城こそ織田家の本丸だと言うと、ではなぜ父上は那古野城を出て末盛城に移ったのかと言い返す。信秀は、お前に跡を継がせるつもりで那古野城を任せ、自分は出たのだと言うが、信長は納得しない。文句があるならここを立ち去れと言うと、本当に席を立ってしまう。

信長は帰蝶の元へ戻り、末盛城も、佐久間や柴田などお気に入りの重臣も、すべて信勝のものだ。これは母上の仕組んだことだ、父上は母上の言いなりなのだと泣く。帰蝶は一人信秀の元へ行き、本心を聞かせてくださいと頼む。信秀は容体が悪化し、ほとんど口を利けないが、かすかに「帰蝶、信長をよろしゅう頼む」とだけ伝える。

信長の許に戻った帰蝶は、お父上様の言葉だと言って次のように信長に伝える。「信長はわしの若い頃に瓜二つじゃ。まるで己を見ているようじゃと。よいところも悪いところも。それゆえかわいいと。そう伝えよと」「尾張をまかせる 強くなれと」それを聞いた信長にようやく笑顔が戻る。

利政は土岐頼芸から鷹を贈られる。見事な鷹だと喜ぶ利政に鷹が襲い掛かる。あわててかばった側近が、そのまま死んでしまう。鷹の爪に毒が塗ってあったのだ。頼芸が利政を殺そうとした! 「なにゆえわしが殺されなければならんのだ!」と怒り狂った利政は、美濃の国衆を集め、頼芸と戦だと宣言する。高政は十兵衛に、自分は頼芸様を守る、他の国衆も自分に付くと言っている、お前も味方せよと迫る。

信秀が東庵に会いたがっていることを聞いた帰蝶は駒の元へ手紙を出し、尾張へ呼び寄せる。ちょうど伊呂波太夫から、駿河に見てほしい患者がいるとの依頼があり、駒は美濃へ行きたい、そこで、尾張→美濃→駿河と出かけることに。尾張に着いて信秀にお目通りをするも、既に信秀はこと切れていた。

今日の明智光安&牧

「母親に申せぬことも、案外嫁には漏らすということもある」

雑感

タイトルが「十兵衛の嫁」だが、嫁を迎えるシーンは短い。結婚式など一瞬の回想シーンで済まされてしまった。帰蝶の嫁入りはていねいに描かれたのに……。今回のテーマは信秀の死であり、主人公は帰蝶である。帰蝶役が沢尻エリカから川口春奈に交代となり、撮り直しをしたため、放映開始が二週間遅れた、その遅れを取り戻すべく当初の予定から飛ばされた部分があるはずだが、ここがそのひとつなのかと勘繰っている。しかし今の十兵衛は何者でもないのだから(主人公補正で利政には重用されているが)この程度の扱いで十分だともいえる。

今回の帰蝶は、何かに目覚めたかのようだ。帰蝶が信秀に直に会いに行ったこと。単にお願いをするだけでなく、(会いたがっている)東庵を呼ぶなど条件を出し駆け引きを仕掛けていること、そして信長に相当に盛って伝えたこと。さすがは蝮の娘である。

なお、帰蝶の言葉を聞いて信長が笑顔を取り戻したのは、帰蝶の言葉を鵜呑みにし、父上は私を認めてくれていたのだ、とわかって嬉しかったから……というより、帰蝶が盛っていることには気づいていて、帰蝶がそれだけ自分のことを気にかけてくれている、帰蝶は自分の味方であるということがわかって嬉しかったのではないか。

利政が「なにゆえわしが殺されなければならん」と怒鳴るが、視聴者はみな、「そんなことちょっと考えればわかるでしょうが……」と突っ込みをいれただろう。

高政が十兵衛に、自分に味方するようにと言ってきた時も、視聴者はみな、「先週、そなたの言うことは何でも聞くなんて約束をするから……」と突っ込みをいれたに違いない。

末盛城と那古野城

末森城は現在の名古屋市千種区那古野城名古屋市中区。隣り合った区でそう距離は離れていない(Google mapによれば、徒歩だと1時間半くらい)。

登場人物の満年齢(1551年)

氏名 誕生日後の満年齢 役者の年齢
明智十兵衛 23 42
煕子 21 32
明智左馬助 15 26
織田信長 17 27
帰蝶 16 25
斎藤利政 57 54
斎藤高政 24 44


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(2020/4/29 記)