窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」第一週-総集編

15分の総集編を見る。

放送日

  • 2021年11月6日

概要

盛りだくさんで一瞬の隙も許さない本作の総集編を作るのは大変だ。単純に考えれば15分に5話だから、1話当たり約3分になるはずだが、1話と2話は約2分、5話は約6分の尺になっていた。3話のおきぬちゃんの「へえ」三連発の後半の二発がちゃんと見られたのはよかった。

杵太郎が、みんながラジオを楽しそうに聞き入っている様子を見てラジオの購入を決意するシーン、金太が、算太が楽しそうにダンスをする姿を見てダンサーになる決意を許すシーンがなかったのは残念だった。これは安子が稔に「家のお菓子を食べている人の顔を見るのはもっと好き」と話すシーンにリンクしている。人の幸せそうな顔を見るのが自分の幸せだという精神は、代々受け継がれているのだ。

雑感

安子は、人柄はいいのだろうが、あえて言えばちょっと天然なところがある。兄がいるが幼い頃に家を出て行ったため、実質的に一人娘状態。両親に愛され、祖父母に甘やかされ、従業員に「お嬢様」と言われて育った安子は、人の裏をかいたりする必要がなかったのだろう。きぬは、上に姉が何人かいる末っ子だと言っていた。可愛がってももらっているのだろうが、うっかりすると厭なことを全部姉に押し付けられる環境では、事態を素早く察知し、はしっこく対処する能力が磨かれたに違いない。勇がなぜ安子にちょっかいばかりかけるのか、きぬはよく理解していたし、安子と稔の関係も一瞬で見抜いた。僕がこの世界の住人だったら、安子より、きぬと仲良くなりたいものだ。

ひさは何歳の時に橘に嫁に来たのだろう。もしかしたら今の安子とあまり変わらない年齢だったのかも知れない。孫をただ甘やかすのではなく、何かあったと思った時は、敢えて触れずに遠くから見守る度量もあり、また講談の時間だからと店番を放り出すお茶目な側面もある。算太の菓子修行に身が入らず皆が困っていた時も、妙に深刻にならず、その逃げ足の速さは「金メダルは無理でも、銅メダルだったら?」などと混ぜ返している。杵太郎の男の孫は算太しかいないのだから、彼が継いでくれなければ「たちばな」は潰れてしまうが、それならそれでいいと腹をくくっていたのではないか。

安子はラジオの英語講座を聞くために、毎朝6時半に起きる。ずいぶんと早起きだと言いたいが、母も祖母も既に起きて台所で仕事をしている(皆の朝食の支度か)。店では父親や職人が餡作りを始めている。豆腐屋は店を開いている。当時の人の朝は早かった。そんな中、安子はそうした仕事を手伝わされることもなく寝坊していてよかったのだから、やはり可愛がられて(甘やかされて)育っていたのだと思う。

その他

次週予告は余計だった。来週も見てね、ということなのだろうが、見ることを決めている人にとってあーんなことやこーんなことがわかってしまうのは興を削ぐ。もうちょっと考えて作ってもらいたいものだ。

リンク

なるほどねえ。そこはあまり気づいていなかった。安子だって割といい暮らしをさせてもらっていると思うが……


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