窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(13)/第三週-水

放送日

  • 2021年11月17日

概要

算太のもとに召集令状が届く。算太は出征のため岡山へ戻ってくる。が、金太は算太を家に入れてはいけないという。小しずは、せめて食事だけでもと食い下がるが金太は首を縦に振らない。小しずは泣きながら握り飯を作る。翌朝、算太が出征。

その後は橘に二人いた職人も兵隊に取られ、人でもなく、材料の入荷もままならず、店の規模はどんどん小さくなっていく。金太は安子にいう。こんなことになるのなら、あの時雉真のおぼっちゃまとのことを認めてやればよかった。安子は答える。こうなることは始めから決まってたんよ。

一方、雉真は軍からの依頼が増え、工場を拡張。神田は雉真の家を訪ね、今後について話し合う。

勇は東京から帰省。廊下を歩いている時に、父と神田の会話から、兄に大東亜銀行の頭取の娘との縁談が進んでいることを知る。そうする前提で融資を受けたが、正式には稔の卒業を待って婚約する予定だと。それを聞いた勇は大阪の兄に会いに行く。

稔の顔はどことなく覇気がない。勇は「まさか安子を捨てたりはせんよな?」と問い詰めるが、兄の表情は事態を首肯するものだった。あまつさえ「お前が慰めてやればええ」などと口にする始末。勇は「兄さんだから諦めたんじゃ!」と言うも、稔は「もうどうでもええんじゃ」と泣き出す始末。

橘は庭で野菜を育てている。杵太郎も畑仕事を手伝って、もともと悪かった腰痛を悪化させてしまう。

小しずは着物を売り、かつての知り合いを回って小豆を入手。小しずの親は既に亡くなられているようだ。

デイッパーマウスは「出歯口の憂鬱」と店の名前を書き換える。息子の健一も既に出征。

これまで学生は出征が猶予されていたが、以後は理工系の学生を除き、大正12年11月末日以前に生まれた人は徴兵されることが決定。つまり、稔の出征が決まった。

雑感

少しずつ、しかし確実に、戦争によって人々の生活が変わっていく。若い男子が次々と出征し、町に若い男がいなくなる。安子は、以前は花柄のきれいなワンピースを毎日着ていたが、今はモンペだ。洋楽は敵性音楽と言われ、英語も使えない。

新コロナ禍における現在の世相に通じると感じた人が多かったようだ。わざとそこに近づけて作っている部分はあるだろう。ただ、当時は、日清・日露・第一次大戦と日本は連戦連勝、今回も参戦したことで、よっしゃ日本軍の強さを見せたれ! と多くの人が思ったはずだし、「ミッドウエーで多大な戦果を挙げた」とのラジオ放送には歓声があがったはず。これは「大谷選手またホームラン! MLBトップを独走」という報に接した今年のわれわれに、むしろ近かったのではないだろうか。徴兵も、これでお国のお役に立てる、と本心から喜んでいた人が多かったと思うのだ。

さて、稔の縁談を知った勇は、いきなり兄に会いに行くフットワークのよさを見せるが、ふがいない兄の姿を見て憤りを抑えられない。勇は安子のことも好きだが、また兄のことも好きだったのだ。兄のこんな情けない姿は見たくなかったに違いない(恐らく、稔も勇にだけは見られなくなかったのでないか)。

勇は早稲田ではと推察していたが、明早大学だった。固有名詞を出したらまずいのか?

算太に召集令状が来た時、どうやって本人に知らせるんだろう、誰もが思ったはず。が、アバンの間に連絡が着いてちゃんと岡山に帰って来た。誰がどうやって知らせたのか、という部分を敢えて省いた制作は悪くないと思う。金太には内緒で、実は小しずは連絡先を知っていたのかな。小しずにこっそり小遣いをせびっていたりして……

杵太郎は相変わらず癒しパート。外出から帰って来た小しずと安子が、金太から杵太郎の話を聞き、「おじいちゃん!」と慌てて部屋へ行くが、当の杵太郎は、ひさに腰をさすってもらいつつ、イチャコラしていた。心配して損したよ!

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