窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「カムカムエヴリバディ」(92):桃太郎の失恋とジョー

第19週「1992-1993」(金)

放送日

  • 2022年3月11日

概要

野球部でレギュラー入りが決まった桃太郎は、国語準備室にいる小夜子に報告しに行きます。そのまま一緒に帰ることになり浮かれる桃太郎でしたが、小夜子が商店街に来た本当の目的を知り、大きなショックを受けることに。以来、あまり元気のない様子の桃太郎を、ひなたやるいも心配します。ある日映画村にやってきた小夜子は、ひなたと一恵に大事な報告があると言い……。(NHKオンデマンドの解説より)

小夜子の結婚に桃太郎のショックは大きく、野球部の練習も休みがちになり、せっかくのレギュラーも外され、やぐされた桃は、あかにしの店先からCDプレイヤーを盗んでしまう。事件が発覚し、叱りつけるひなたと言い合いになった二人をるいが割って入るが、ふとジョーを見て驚愕の表情を浮かべる。ジョーはトランペットを手にしていた……

今日の桃太郎

「サヨナラと君の背中が言ったから、7月20日はサラバ記念日」

今日の小夜子と一恵とひなた

「そんなにびっくりせんでも、結婚の報告くらいで」
「いやいや、結婚に驚いているのやあらへん」
「そや、問題は相手が吉之丞いうことや」
「ひなちゃん、『問題』はあかん、『問題』は」

今日の小夜子と一恵とひなた その2

「おめでとう、小夜ちゃん」
「そや、それ先に言わんと。おめでとう」
「ありがとう。ほっとしたわ、二人に一番に報告できて」
「一番なんや、嬉しいなあ」
「あー、桃ちゃんにはバレてしもうたけど」
「えー。大丈夫なん?」
「大丈夫て、なにが」
「だって、桃ちゃん、子供の頃から小夜ちゃんに夢中やん」
「そんなん、本気なわけあらへんやん」

今日のひなたと桃太郎

「ほな、僕の桃太郎いう名前はどないなるんや」
「はあ?」
「どないなセンスでつけてるんや」
「可愛いやない」
「どこが」
「モモケンさんに謝り」

今日のtwitter

twitterというか、twitterが切り取ってくれたこの絵だなあ。これに尽きる。


雑感

桃太郎の失恋はそろそろだと思っていたが、それは今日だった。相手はよりによって吉之丞だった。第88回の小夜子と吉之丞のセリフから、「この二人は付き合うことになるのではないか?」と予想した人がいたが、当たっていた! 小夜子のような美人が、地元の幼なじみとでは何の意外性もなくつまらないが、結婚は周囲を喜ばせるためにするわけではない……

小夜子は桃の気持ちを「本気じゃない」と軽くいなしたが、小学生くらいの頃はともかく、高校生にもなった今の桃の気持ちがわからないはずがないと思う。が、わかってしまうと、それを受け止めてどうにかしないといけなくなるし、下手を打つと教師の立場上の問題もあるから、あくまで「弟みたいなもの、仲は良いけど本気じゃない」で押し通そうとしているのではないか。

ひなたと桃は、どっちの方がみじめかでマウントの取り合いをする。一昨日のラストで袈裟懸けを決め、あっさり五十嵐と決別したかに見えたひなただが、傷はまだ生々しかった。それはそうだろうけどな……。

桃ちゃん、つらい気持ちはわかる。しかし、高校生の時や大学生の時に、人は、もう生きててもしょうがない、俺の人生ななんだったんだーという失恋を、一度や二度はするものなのだ。乗り越える人もいるし、ずっと引きずる人もいるけど、それが青春だ。同情はしない。

今日は失恋回かと思ったら、驚愕のラストが。ジョーを見る三人の表情がお見事。ひなたは「お父ちゃん何やってんの?」桃は「それなに?」みたいな感じだが、一人、るいだけが「あなた……トランペット……」と、30年分の驚きを表わしていた。

トランペットはピカピカだった。吹けない間も、トランペットの手入れは怠っていなかったのだろう。トミーのCDを、聴かないのに買い続けたように。



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