窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「どうする家康」(12)

題名

  • 「どうする家康」第12話「氏真」

放送日

  • 2023年3月26日

登場人物

概要

武田信玄から攻め込まれ、家臣にも見限られた氏真は、駿河・今川館を捨てる。妻・糸は、彼女の実家である北条に身を寄せるよう勧めるも、氏真は耳を貸さない。一行が徳川領に近い掛川城に落ち延びたため、家康は兄弟同然に育った氏真と直接戦うことになる。長期戦にもつれ込み、お互い攻め手を欠く家康と氏真。そんなふたりの胸中に、父・今川義元の記憶がよみがえる。(公式サイトより)

掛川城攻めは長期にわたったが、ついに氏真を捕らえることに。死のうとする氏真に、家康は「兄弟同然に育ってきた氏真殿を死なせたくない」と本音を吐露。

氏真は、義元から「将としての才がない」と言われたことにがんじがらめになっており、家康にもコンプレックスを持ち続けたが、義元は、氏真が寝る間も惜しんで武芸に励み、勉学に勤しむ様子を見ていて、努力は才を超える、いい将になるだろうと言っていたことを糸から聞かされる。「それを、直接氏真さまに伝えてあげてください」と願ったところ、では、戦(桶狭間)が終わったら、と答えてくれたと……。

そして「もう降りましょう、私は蹴鞠をしているあなたが好きです」と言い、それを聞いた氏真は、糸とともに北条家に身を寄せることにようやく同意。険が取れてすっかり穏やかな顔になった氏真は、家康に「お前はまだ降りるな、苦しめ」と言い残して去って行く。

しかし、氏真を逃がしたことが武田信玄に伝わり、信玄は怒りを爆発させる……。

雑感

見応えのある回だった。

あちこちで、これまで愚将と言われていた氏真を、初めて違った角度から描いた……と書かれているのを目にするが、6年前の大河「おんな城主直虎」でも氏真は愚鈍には描かれていないので、初めてではない。他の作品はともかく、少なくとも同じ大河の、しかもほんの数年前の作品なのだから、論じるなら並べて論じてもらいたいもの。これは瀬名に関しても同じだが。

氏真をコンプレックスの塊りとし、しかもそれを克服するために寝る間も惜しんで努力する人間に描いていたのはとてもよかった。それにしても、いろいろなものを背負っていた時の、ちょっとイッちゃった目つきから、肩の荷を下ろした後の穏やかな表情へ切り替えた溝端淳平の演技は素晴らしい。

第1話で死んだはずの太守様が何度も登場するのも面白い描き方だ。あとからわかった視点で当時の出来事を振り返ると、まるで違った景色に見える、ということを描いているのだろう。歴史ものは、こういう進め方もありかも知れない。

氏真は結局江戸時代まで生き延びるし、今川家は徳川家臣として残っていく。氏真は今川家を存続させた希代の名将ともいえるのだ。
(2023-04-02 記)


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