窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「きのう何食べた? season2」第12話(最終話)

放送日

  • 2023年12月23日(22日深夜)

料理

  • のり弁当

概要

ケンジの誕生日のプレゼントを何がいいか問う史朗に、ケンジは「シロさんが選んで。何を選んでくれるのか楽しみにしている」と、何とも面倒なリクエストをする。佳代子さんからも「何でもいいというのは、本当に何でもいいわけじゃないからね。愛が試されているんだからね」と注意され、史朗は頭を悩ませることになる。

筧史朗の両親が老人ホームに入ることを検討している。八王子の施設は快適だが史朗の家から遠い。一方都内の施設は高すぎて予算をオーバーする。家を売った費用を充てれば10年や20年は大丈夫、それで足りなかったら自分が出すと提案するも、父親が一喝。これ以上子どもに甘えたくないというより、20年経てば史朗も自分が施設に入ることを検討する年齢になる。その上、自分たちにはこうして相談に乗ってくれる子どもがいるが、史朗にはいない。安易に金を出すと言わず、自分の老い支度も考えろというわけだ。

史朗は、自分が死んだら全財産をケンジに譲るという遺言書を書くとケンジに告げる。「死ぬまで一緒にいてくれるってこと!?」と聞き返すケンジに、そうじゃなくて、明日、交通事故で死ぬかも知れないだろ! とそっけなく返す史朗。いっそのこと養子縁組するか? そうすれば相続税も安く済むと。それを聞いたケンジは拒否。俺はシロさんと家族になりたいけど親子になりたいわけじゃない。いつか法律が変わって同性婚が認められるようになっても、親子なら結婚できないじゃないかと。

珍しくケンジが用意してくれた弁当を持参し事務所へ行った史朗は、昼食を食べながら、今ごろあいつも同じものを食べているのかな、と、思いを馳せる。そして用意したケンジへの誕生日のプレゼントは、お揃いのエプロン。そして、自分が全財産を譲ってもいいと思えるのはお前だけだ、と告げる。ケンジは「離れないよ、死ぬまで」と答える。

感想

自分も子どもがいないから、親の世話をしながら、自分の親には自分がいるけど、自分が世話をされる側の立場になった時はどうなるんだろう、とよく考える。そういう点で今日の話は刺さった。

同性カップルは今のところ法律は何も守ってくれないので、若い時はともかく、何かあった時に弱い。そこをなんとかしておきたいというのももっともであるが、形式とはいえ、恋人のはずの人と「親子」というのは、やはり悲しいものがあるなあ。

遺書を書くのはいい案だと思うが、シロさんだけが書くのは納得がいかない。二人で一緒に書けばいいのに。ケンジには資産らしい資産はないと踏んでのことかも知れないが、無一文ではないだろうし、お金いがいにももろもろ残るものがあるだろう。ケンジの家とは「家族」になったシロさんだから、遺族が配慮してくれるかも知れないが……

ケンジの作ったのり弁当、一番たいへんなのはキンピラだと思うが、そのレシピは紹介されず、ケンジが作るシーンもなかった。あれはどこから湧いて来たのだ。シロさんの作り置きストックを使用したのか? 食材を断わりなく勝手に使うのはご法度だと、第5話で触れられたはずだが……



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