放送日
- 2023年11月4日(3日深夜)
出演(ゲスト)
- 及川光博(伸彦、史朗の元カレ)
- 安藤輪子(洋菓子店スタッフ)
料理
- ホロっと旨いビーフシチュー
概要
クリスマスが近づいた。クリスマスメニューは毎年同じ、シロさんが初めてケンジのために振舞ったもの。当時のシロさんの精一杯でケンジに喜んでもらおうと思ったメニューで、それが嬉しかったケンジは毎年クリスマスにそれをリクエストするのだ。が、だんだん年をとってきた二人。ケンジは、シロさんが無理して食べているのに気付いていて、シロさんは、ケンジが太り過ぎを気にしていることを知っていて、お互いに「相手のために」今年からメニューを変えようと提案する。
シロさんの元カレはシロさんのタイプど真ん中の人だった。が、洗濯機の配水管が詰まって水があふれてしまい、シロさんが一人で四苦八苦している時も手伝おうとせず、その上「腹が減ったから」と一人で食べに行ってしまう。また、シロさんが仕事中に、夕食に使うつもりで準備しておいた鶏肉を勝手に食べ、しかもシンクは散らかったまま。鶏肉は夕食に使うと言ったじゃないか、と文句を言うシロさんに、食費は自分も半分出しているのに、なんでお前の許可が必要なんだと言い放つ。
それでもシロさんは(相手が好みだったため)多少は腹が立っても許していたのだが、現在のケンジとの生活を鑑み、元カレを回想したら思わず涙が出て来た。なぜ涙が? と戸惑うシロさんだが、「そうか、俺……、幸せなんだ」とつぶやくのだった。
感想
ラストのシロさんのセリフがすべてを持って行った。
伸彦は、とにもかくにも自分と付き合ってくれて、一緒に暮らしてくれて、自分のために時間を遣ってくれている。自分の惚れ込んだ相手が自分にそのようにしてくれたら、それだけで十分で、何を言われ何をされても許してしまう気持ちはわかる。その時は感じていなくても、自分を尊重してくれない相手の態度は心に小さな傷を作る。ケンジは、シロさんだけではないけど、相手のことを気遣い、思いやる人間だ。そういう相手といられて、自分が改めてしあわせなのだと感じる。これ以上のことがあろうか。
お互いに相手のためにクリスマスのメニューを変えたいと申し出るところは、まさに「賢者の贈り物」だった。