題名
- 「どうする家康」第48話「神の君へ」
放送日
- 2023年12月17日
概要
家康は豊臣との決戦に踏み切り、乱世を終える覚悟で自ら前線に立った。家康の首をめがけ、真田信繁らは攻め込む。徳川優勢で進む中、千姫は茶々と秀頼の助命を訴えた。だが家康が下した決断は非情なものだった。翌年、江戸は活気に満ちあふれ、僧・南光坊天海は家康の偉業を称え、福(のち春日局)は竹千代に“神の君”の逸話を語る。そんな中、家康は突然の病に倒れる。(公式サイトより)
千姫は初が城外へ連れ出す。秀頼は切腹、大野修理が介錯をする。大坂城に残った者も次々と自害。大野が止めを刺して回ると、最後に切腹。大野に止めを刺したのは茶々。最後に「茶々はようやりました」と叫ぶと、喉に刃を当てる……。
病で倒れ、寝たきりになった家康だが、小康状態の時に起きて木彫りをしていると、部屋の奥から瀬名と信康が出て来た。そして家康の偉業を称えた。
その後、意識は信康の婚礼の日に飛ぶ。お愛の方最終日に登場した「信康と鯉の話」が明かされる。それは家康と家臣団の絆を表わすものでもあった。彼らは口々に礼を言い、家康も皆のおかげだと礼を言う……。はっきりとは語られなかったが、そこで家康が身罷ったということだろう。
今日の千姫
「豊臣にはもう戦う力はありませぬ。この後に及んでお二人を死なせる意味がどこにありましょう。……お願い申し上げます」
「秀頼を深く慕っておるんじゃな」
「私だけではございません。多くの者があのお方を慕っております。あのお方は夢を与えてくださいます。力を与えてくださいます。前途ある若き才をお救いくださいませ」
雑感
圧巻のラストだった。
大坂の陣はあっさり終わったが、その後の千姫、秀頼、茶々の態度がそれぞれすごく、強く印象に残った。秀忠もだな。
ナレーションはやたらに「我らが神の君は」を連発するため、これは春日局ではないかと当初から予想する人がいたが、当たった。こういう種明かしは面白いが、当てた人はすごい。
最後に「信康と鯉の話」が明かされるのはすごいロングパスの伏線回収。まあ冒頭で阿茶も唐突に鯉の話を持ち出したが、これはリマインダーだろう。瀬名に信康、於大の方、そして酒井忠次、石川数正、本田忠勝、榊原康政、鳥居忠吉、夏目広次、大久保忠世、平岩親吉、渡辺守綱などなど、懐かしい顔ぶれが勢揃いしたのは嬉しかった。ここに井伊直政がいないのはなんとも残念だが、岡崎の話なので致し方ないところ。岡崎城での生活が、家康が一番楽しかった時代なのだろう。それはよくわかる気がする。現実の家康は、晩年は孤独だった様子がうかがえるが、夢の中では瀬名や信康、そして家臣たちに囲まれ最期を迎えることができ、幸せだっただろう。
この鯉物語は最近の撮影だろう。ここまで家康の晩年を演じてきて、再び若い頃を演じようとしてそれがちゃんとできているのがスゴイ。そして若い頃のメイクのままどんどん年を取っていく演技も圧巻だった。
制作者にもそうだが、最後まで見続け、こうして最後のエピガイを書くことができ、自分にもお疲れさまでしたと言いたい。私は、よくやりました。