窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「於愛日記」(36)

題名

  • 「どうする家康」第36話「於愛日記」

放送日

  • 2023年9月24日

登場人物

  • 飯作雄太郎(西郷義勝、於愛の最初の夫)
  • 北川景子(茶々)

概要

家康は真田昌幸から、北条に領地を渡す代わりに徳川の姫がほしいと頼まれる。忠勝の娘・稲を養女にして嫁がせようとするが、父娘ともに猛反対。そんな中、家康が探させていた武田の女を、元忠がかくまっていたことがわかる。説得に向かった忠勝は、抵抗する元忠と一触即発の危機に陥る。改めて、於愛が元忠に話を聞くと、意外な事実が――。(公式サイトより)

家康は千代を探させていた。武田の隠密として活動し、築山事件にも一枚噛んでいたと思われる千代を。実は半年以上前に元忠が見つけていたのだが、家康に報告すると恐らく処刑されると考え、側室として囲うことにしたのだ。それを見つけた渡辺半蔵守綱が、面白がって家中に触れて回ったため、大騒ぎに。

家康は、関係者の行く末を案じていただけで、千代を処断する気も、徳川の隠密にするつもりもない、と言い、千代に、彦の妻となり彦を支えよと命ずる。納得の行かないのが本田忠勝で、千代は真田の忍び、徳川の重臣の寝首を掻くために派遣されているのだと主張する。

それを聞いた稲は、では私が真田へ入りますと宣言。もし元忠が寝首を掻かれるようなことがあれば、自分が真田親子の首を取ると。忠勝は、お前にそんなことができるかぁと騒ぐが、大久保忠世本多正信らから、娘がかわいいのはよくわかるが、そろそろ手放す時だとたしなめられる。

家康は於愛に、今回の一件を丸く収められたのはそなたのおかげと礼を言うと、於愛は、お方様、信康様の楽しかった思い出を話してくださいませと願い出る。家康は信康の婚礼の時の騒ぎを笑いながら話す。その後間もなく於愛は亡くなった……

今日の稲

「夫婦を成すもまた女子の戦と思い知りました。真田家、我が戦場として申し分なし」

雑感

今日は「女たちの戦国」を凝縮した回だった。

於愛の先夫が登場。戦で夫を亡くした於愛は、二度と誰かに嫁ぐつもりはないと思いつつも、城勤めをしているうちにいろいろあって家康の側室に。家康のことは心から尊敬しているが、慕っているわけではない、と心中でつぶやく。いつも笑っているが、これは偽りの笑顔だと。でもその笑顔に家康をはじめ、家中の者が救われてきたのも事実なのだ。

千代は於愛に気持ちを尋ねられると、これまでさんざん人を誑かして生きて来た自分に本心を聞いて何とするかと答える。元忠は、自分を慕ってくれていると言ってくれたと言うが、それも偽りかも知れないと。が、於愛に、この時代は好いた好かれたで結ばれるわけではないが、自分を好いてくれる者と出会えたのは僥倖、それを大事にせよと言われ、涙ぐむ。

旭は、大政所(仲)、家康とともに京都へ。家康は、このまま仲の世話をすればいいと旭に伝える。旭は、自分は人質だから徳川様の領地内に住まなければいけないのでは、と問うと、わしはお前を人質だとは思っていない、正室として、京で務めを果たせと伝える。他国で気を遣って生きるより母の許で過ごした方が、もちろん旭にとってはいいであろう。ドラマ内では言及されなかったが、史実では旭は間もなく死ぬ。薄幸の女性であったが、最晩年は小幸を得たのではないか。

そしてお茶々だ。オープニングロールで北川景子と出た時は、え、もう死んだのにまた出て来るのか? と思ったら、市ではなく茶々だった。子役は、親や祖父母(やその兄弟)の幼少時代と同じ役者が演じるのは珍しくない。「江」では芦田愛菜が茶々と千姫の二役、「軍師官兵衛」では若山耀人が官兵衛、黒田長政の二役を演じた。が、本役で母娘の二役というのは珍しいのではないか。

その北川景子演じる茶々は、ハチャメチャでイカレたヤバイ女だった。北川景子は「"どうする家康"のラスボスのようなキャラターなので、遠慮せずに最後まで暴れ抜いてみようと思っています」と、これまたヤバイ発言をしている。かつて、秀吉を手玉に取って天下を取ると決意した女であり、また、家康を(母の最期に助けにこなかったといって)恨んでもいる。

四人がそれぞれの女の戦いをしているのだ。

なお於愛は今回で退場。冒頭から、時々胸を抑えて苦しそうにしている描写があったが、これが暗示だったか。ちょっと早過ぎる、と思うが、阿茶の局と交代する都合もあるしな……


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