最終週「スエコザサ」(月)
放送日
- 2023年9月25日
感想
この話はどこまでやるのだろう、どこで終わりになるのだろうということは当初から気に懸かっていた。あるところで切って、「その後二人はしあわせに暮らしました」というのならよいのだが……そう思っていた矢先に、最終週のタイトルが「スエコザサ」と知って「ぎゃっ」と思った。牧野富太郎についてはある程度のことは知っている。亡き妻に感謝して献名したということも……。ということは今週、寿恵子は死ぬのだ。それはつらい――
そうした予想はひっくり返された。いきなり昭和33年(1958年)から始まるとは。末っ子の千鶴が松坂恵子の年齢。万太郎も寿恵子もとっくにいない。見事というかなんというか。唖然とした。
宮崎あおいが架空の人物役でサプライズ出演するとは、ドラマを見る前に知ってしまったから驚かなかった(もともと、驚くほどのことではない)。が、松坂慶子の再登場は驚いた。昨日の大河ドラマで北川景子の再登場に匹敵する(あるいは、それ以上の)サプライズだ。しかも(北川景子同様)、血を引く者として顔は似ているが、物腰は全然違う。タキは明治の女傑であったが、この千鶴は人の好い昭和のおばちゃん(おばあちゃん)だ。
万太郎の遺品の整理を藤平が手伝うという流れだが、ちょうど先週、牧野博士の残した標本の整理が60年の時をかけ、2021年にようやく完了した、という記事を読んだばかりだったので、どんぴしゃの内容でもあった。
ただし、ポスト万太郎の話を一週間かけてやるのか? というと疑問もあり、明日からまた大正に戻るような気もする。