窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「らんまん」(125)

第25週「ムラサキカタバミ」(金)

放送日

  • 2023年9月22日

概要

震災からおよそ一か月。万太郎は、ムラサキカタバミの植物画を描いていた。こんな時だからこそ、たくましく咲いている植物を見てうれしかった。その気持ちを誰かに渡したいのだと、万太郎は寿恵子に話す。寿恵子は百喜と大喜に広い土地を探してほしいとお願いする。そして、相島にもある決意を伝える。(NHKオンデマンドの解説より)

震災で大きな被害に遭わなかった渋谷は、都心で被害に遭った大勢の人が移って来て、活況を呈していた。それを見た相島は、ここは今に日本の首都として恥ずかしくない町に成長する、早期に目を付けた我々は慧眼だった、と寿恵子に語るが、寿恵子は浮かない顔。ある日相島とフミを店に呼び、相島に店を買ってほしいと頼む。自分の望みを叶えるために、新しいところへステップアップするのだと。相島は5万円で買うと言う。

震災で多くのものを失いながらも、なおも意欲を失わない万太郎を見て、ちゃんとした研究室と標本をしまっておける場所の必要性を痛感し、「やまもも」を売ったお金で練馬に広大な土地を買った。

感想

相島は「賭けに勝った」というが、寿恵子は渋谷のいいところを多くの人に知ってほしいと思っていただけで、新生日本の象徴となるような大都市に発展することを願っていたわけではない。

万太郎も、日本を先進国にするとか、欧米に対抗できる国にするとかいうこと自体が目的ではなく、目の前に花が咲いている、その素晴らしさを多くの人に伝えたい、そういう気持ちでここまでやってきた。その部分が寿恵子と共鳴するのだろう。

ただし寿恵子は、店の経営も儲けが目的ではなかった、と言いたいところだが、店の運営を軌道に乗せたことと、渋谷の町自体が発展したこと(それに相島の厚意もプラスされて)120円で買った店が10数年で5万円になったのだから、バブルも斯くやの大儲けである。万太郎を支えるためにはお金が必要なので、利益を出すことは現実的に考えてはいただろう。

しかし、永守徹が戻って来て、図鑑を発刊する費用も、標本を保管・管理する博物館も、言えば作ってくれるのだから、寿恵子が出さなくてもよかったと思うが……


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