窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「豊臣の花嫁」(34)

題名

  • 「どうする家康」第34話「豊臣の花嫁」

放送日

  • 2023年9月3日

登場人物

概要

打倒・秀吉を誓ったはずの数正が豊臣方に出奔、徳川家中に衝撃が走る。敵に手の内を知られたも同然となり、家康は追い詰められるが、そこに未曽有の大地震が発生し、両軍戦どころではなくなる。なんとか家康を上洛させたい秀吉は、妹の旭を家康に嫁がせ、さらに老いた母まで人質に差し出す。秀吉に屈服するか、全面対決するかの二択を迫られた家康は……。(公式サイトより)

天正13年、羽柴秀吉は公家の最高峰、関白に就任。

浜松へやってきた旭は、陽気に振舞い能天気を装っているが、永年連れ添った夫と離縁させられ、その夫は行方不明、行きたくもない国へ行かされ、嫁ぎたくもない人に嫁がされる。内心はとてもつらい思いをしていた。家康は、そんな旭の気持ちに気付かず、自分の正室は瀬名だけ、と意固地になっていたが、旭もつらい立場なのだと気づき、「そちのおかげで家内が明るくなった」と優しい言葉をかける。

酒井忠次は、殿が頑ななのはお方様と信康さまにとらわれているからではないかと指摘する。忠勝、康政など瀬名の最後を知っている者も同様。そこへお愛が、「奥方様の目指したものは、殿がしなければいけないことなのですか」と口を挟む。「他の方が、戦のない世を作るのなら、それでよいのでは」。忠次は、数正は戦を避けるために出奔したのではないかと言う。数正の本心を知った家臣たちは「数正のあほたわけ」と合唱する……。ついに家康は上洛を決意する。

今日の本多正信

正室とはいえ、形ばかりのこと。もらえるものは、もらっておけばよいのでは?」
これは「真田丸」での真田昌幸のセリフを持ってきたな……

雑感

戦のない世を作る、と言いながら秀吉に戦を仕掛けようとしているのは矛盾だなあ、と思っていたから、お愛の指摘は至極ご尤もだと思うが、言われなければわからないこともあるのだ。

織田信雄が凄腕の交渉人になっている。秀吉側の代理人として、上洛を迫る。上洛するということは秀吉に臣従するということだから行きたくないのだが、「行ったら殺されるかも知れない、そうならないという保証があるのか」と迫ると、信雄はその言葉を盾に取って「では、命の保証があれば上洛するのだな」と答え、「関白に人質を出させよう」と言う。関白側から人質を出すのは普通に考えたらあり得ないことで、秀吉も面白くなかったろう。信雄が説得したのかどうかはわからないが、これはかなり高度な説得術だ。戦の大将としては情けない姿を見せたが、交渉人としては優秀だ。

数正の出奔への対策として、まず軍隊を武田方式に変えてはどうかと正信が進言、それを受けて直政は「お任せください」と言って現場に向かおうとするが、ちょっと正信を振り返って、お前も来いと言わんばかりに顔を振り、それを見て正信がついていったのがなかなかいい。32回以降、直政は正信のそばにいることが多い。常に直政が威張っており、それに対し正信は怒るでもなく「はいはい」という感じで従っているのが面白い。忠次-数正、子平太-平八郎とはまた違った友情物語。


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