窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

TV第11話「青島刑事よ永遠に」

出演

解説

最大の山場は「確保!」だという人がきっと多いだろうが、個人的には、署長が本庁の人間に、自らの馘を賭けて「(青島たちは)命張ってんだよっっっ!」と怒鳴り返すシーンがダントツだ。ニヤニヤ媚を売る表情から、一瞬にして迫力満点の目つきに切り替えるのは、北村総一朗以外に誰もできない名人芸だろう。この場面は何回も繰り返し見たが、何回見ても涙が止まらない。

拳銃所持命令が出て、拳銃を受け取る署員を見守る場面でも、事態の重さを受け止め、これ以上被害が広がらないことを祈るような、不安の入り混じった署長の表情は、圧倒的な存在感があった。申し訳ないが、秋山副署長や袴田課長とはレベルが違う。やはり彼は署長である。

とにかく、この回の署長は実にカッコ良かった。もちろん秋山も袴田も、署長ほどではないけれどやはりカッコ良かった。こういう上司がいるからこそ、なんだかんだいっても青島らは仕事に打ち込むことができるのだろう。

イメクラにピンクサファイヤが登場。しかし「顎が疲れた」演技はちょっとやり過ぎ。このために日本中の純情な男の子の脳髄をいたく刺激することになった。

雪乃の献身的な介護は胸を打つ。図らずも真下の父親と挨拶をすることになったし、真下が回復したら、晴れて二人は結ばれるのだろう(と思ったら、この次に製作された「歳末スペシャル」で真下が雪乃の逆鱗に触れてしまい、二人の仲はご和算に。真下、お前はバカか)。

ところで、前日に採用試験を終えて真下と一緒に帰ってきた雪乃が、郵送されてきた採用通知を持っているのはおかしくないか。

山部が青島ではなく、室井に対して情報を提供するのは第二話からのリンク。ここのところ、上と下の板ばさみに合い、苦しんでいる室井だが、やはり人間の器が違う。

真下の病室にすみれから「メロンとお花」が届いていることに注目。

ただ、真下が回復するまでは良かったが、そのあとはテンポが悪過ぎる。査問会で、青島が長々と室井の悪口を言うのもいただけないし、そのあと「きりたんぽ鍋」と「ヘリコプター」の話をして、階段の上と下で敬礼をするのは「クリムゾン・タイド」のパクリだが、これがラストシーンかと思ったらまだ次があるし、吉田のおばあちゃんの登場はいいとしても、彼女にあれこれ話しかける青島の話も間延びし過ぎ。

全体の3/4ぐらいまでは最高の出来なのに、終わり方だけが残念だ。

テレビ本編はこれで終了だが、ドラマは9ヵ月後に製作される「歳末特別スペシャル」に続く。