「デビルマン」

いつ観に行ったのか記憶が(記録も)ないが、11月なのは確かだと思うので、この日にポストしておく。

題名デビルマン
監督那須博之
原作永井豪
出演伊崎央登不動明)、伊崎右典飛鳥了)、酒井彩名牧村美樹)、宇崎竜童(牧村啓介)、阿木燿子(牧村恵美)、本田博太郎(飛鳥教授)、染谷将太(ススム)、冨永愛シレーヌ)、船木誠勝(ジンメン)、渋谷飛鳥(ミーコ)、ボブ・サップ(ニュースキャスター)、小林幸子(隣家の女)、永井豪(神父)、嶋田久作(地下鉄の乗客)、きたろう、今井雅之、他
制作日本(2004年10月9日公開)

雑感

デーモンの描写は昔だったら難しいが現在のCG技術を使えば表現可能なのではないか。漫画作品として自分にとってはベスト5に入る名作であり、その実写化は観てみたかった。

この年は4月に「CASSHERN」、5月に「キューティーハニー」と往年の人気漫画(アニメ)が相次いでVFX(CGまたは合成処理による実写映像の加工技術)によって実写化され、以後の流れを作った。そのような意味で歴史的には意義のある作品である。

しかし、脚本には矛盾が多く、主要な役者がみな素人同然だったことなど、おかしな点をいちいち指摘するのもバカバカしいほどで、ひとことでいえば「くだらない」としか言いようのない作品であった。特に冨永愛シレーヌが期待外れだったことが大きかった。漫画のマニアであれば、他がたとえダメダメでも、シレーヌさえ期待通りに美しく、かついやらしく描かれていたなら、それなりに満足感を与えられたはずなのだ。逆にいえば、シレーヌがダメならすべてがダメだ。そういうマニアの気持ちを全く理解していなかったとしか言いようがない。

冨永愛は公開前のインタビューで「シレーヌは私のための役」というようなことを喋っていた。もちろん宣伝のためのインタビューだから盛っているのは当然としても、そこまで言うからにはもう少し思い入れをもって演じてくれると期待した私がバカでした。

なお、公開直後に「イラク日本人青年殺害事件」が起きている。2004年10月27日にアルカイダを名乗るグループが日本人青年を人質にし、イラクから自衛隊が撤退しないと彼を殺すとの声明を出した。小泉純一郎首相が「撤退しない」と回答すると、その青年はナイフで首を切断され、11月2日に殺害する場面の動画がネットで配信された……という事件である。

自分はこの動画を見てしまったあとでこの映画を観たので、11月に入ってからだったのだろう。牧村美樹が群衆に襲われ首を切られる場面は、当該の動画を連想させるもので、気分が悪くなった。もちろんこれは「デビルマン」制作者の責任ではない。この事件によって上映中止が指示されなかったのはさいわいだった。
(2013/11/03 記)