感想
- ちょっと時間が空いたので観た。退屈しのぎになるかなと思ったが、予想より面白かった。本当は「あなたは私の婿になる」か「ワイルドスピードMAX」が観たかったのだが……どちらも今週中か……ううむ。
- 原作はよく知っているが、あんなおどろおどろしい話は漫画だからであって、実写となればかなりマイルドにせざるを得まい、マイルドになればカイジの面白さはなくなる、と考えていたのだが、たしかにかなりマイルドになってはいたが、だからといって面白さを損なうことはなかった。ひとえに、実写ならではの迫力と、役者の迫真の演技の賜物か。
- 一番良かったのは天海祐希だろう。こんなにハマるとは思わなかった。唯一の女性だから、というだけでなく、どこか違う(他の連中のように、金の亡者で血も涙もない人間ではない)と思わせておいて、実際(原作と違い)カイジを応援して兵頭に楯突くのだが、最後の最後に「あたしがいい人のわけないじゃーん」というセリフが実に効いている。
- 残念だったのは3点、まずカイジが無職ではなかったこと。「定職にも就かず……」という表現が出てきたが、今の世の中、20代で独身だったら、ちゃんとアルバイトをして生計を立てていれば立派なものだろう。原作のカイジはもっと自堕落な生活を送っていた。
- 遠藤がカイジを誘う時に、「バスケットボールのゴールはあの高さにあるからゴールを目指そうとする……もし100mの高さにあったら、誰もゴールなんてしねえよ」というセリフは、漫画「カイジ」全編の中で僕が最も心に残ったセリフなので、これは言ってほしかった。
- 鉄骨渡りで、カイジが石田のおっちゃんと長々と喋り過ぎ。雨も降って来たし、喋っている間に落ちてしまうよ。そもそもバランスをとるのが大変な鉄骨の上で、振り向くこと自体がナンセンス(これは原作もそうだが)。
- 設定のおかしな点はいろいろあるが、あちこちで書かれているので省略。