窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ナンパ野郎の凄絶な5日間「127時間」

5月に「岳」を観て山づいていたので。

題名127時間(原題:127 Hours)
監督ダニー・ボイル
原作アーロン・ラルストン
出演ジェームズ・フランコ(アーロン・ラルストン)、他
公式サイト映画『127時間』公式サイト
制作USA、イギリス(2011年6月18日日本公開)
劇場ワーナー・マイカル・シネマ(新百合ヶ丘

内容紹介

2010年のテルライド映画祭、トロント国際映画祭で上映され、本年度のアカデミー賞で6部門にノミネートされた。

主人公はベテランクライマーで、本人もそう思っている。実際そうなんだろうが、過信が慢心を呼び、行き先を誰にも告げずに山に来たところ、うっかり滑落して岩と壁に手を挟まれ、身動きができなくなってしまう。水はほんのわずか。助けの来る当てはない。

途中、岩にはさまれたのは夢で、無事に生還するシーンがある。これが事実であってくれと客席から祈った。が、それは死を間近にした彼の見た幻影なのだった。

結局、岩は動かない、手は抜けない、となると、死にたくなければやることはひとつ。「その場面」は多少戯画的に描かれていた……と思うけど、正視はできなかった。

雑感

女性ハイカーを見れば声をかけてガイドを買って出るなど出だしの軽快で軟派なムード、事故に遭ってからもユーモアを忘れず、前向きなコメントを発しているが、だからこそ事件の深刻さと「その場面」の悲惨さが際立つ。よくできた映画だと思う。

よくできたといえば、本作はジェームズ・フランコ以外の登場人物は全員チョイ役のようなもの。全編にわたってほぼフランコの一人芝居である。それで映画として成り立たせているのだから、その演技力もまた称賛されるべきである。

冒頭の、画面を三分割にして映す手法は、見にくくなるだけでいただけない。

127時間 (小学館文庫)

127時間 (小学館文庫)

(2011/07/31 記)

過去記事