これは公開初日に観に行く(当然)。
題名 | 岳-ガク- |
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監督 | 片山修 |
原作 | 石塚真一 |
出演 | 小栗旬(島崎三歩)、長澤まさみ(椎名久美)、佐々木蔵之介(野田正人)、矢柴俊博(座間洋平)、やべきょうすけ(安藤俊一)、浜田学(関勇)、森廉(青木誠)、石田卓也(阿久津敏夫)、渡部篤郎(牧英紀)、中越典子(山で遭難した父娘の娘)、光石研(山で遭難した父娘の父)、宇梶剛士(ナオタの父)、石黒賢(椎名久美の父)、市毛良枝(山小屋の主人)、ベンガル(遭難者の父)、波岡一喜(三歩の親友)、他 |
公式サイト | 映画『岳-ガク-』オフィシャルサイト |
制作 | 日本(2011年5月7日公開) |
劇場 | ワーナー・マイカル・シネマ(新百合ヶ丘) |
雑感
ここ数年は、映画を見てから原作を読む、というパターンが続いたが、珍しく、原作を知っていて、映画化されたので観に行ったパターン。「あしたのジョー」もそうだといえばそうだったけど。
原作は単行本をすべて持っている。小栗旬・長澤まさみ主演で映画化されると聞いた時は正直懸念があった。これは美男美女の物語ではないからだ。実際、原作漫画にはイケメンも美人も一人も出てこない(もっとも、久美ちゃんは作者的には美人に描いているつもりかも知れないが……)。
実際には、予想よりはるかに硬派な作品になっていた。特に長澤まさみの体当たりの演技がすごい。凄過ぎて、椎名久美が主人公みたいになってしまったけど。小栗の島崎三歩も、どのように撮影をしたのかはつまびらかではないが、雪山を軽やかに歩き、いかにも山男の雰囲気をうまく出していた。もっとも、喋り方が「いかにも三歩」で、原作を生かそうと努力したのはわかるが、あれは少々漫画チックだから、もう少し小栗三歩に徹してもよかったと思う。とにかくイケメン映画になっていなかったのはよかった。
話の方は、原作の初期のエピソードをつなぎ合わせたもので、椎名久美の父親も山岳救助隊をやっていて山で死んだ、というあたりが映画オリジナルの設定だったが(わざわざそういう設定をする必要があったかは疑問だが)、あとはほぼ原作通り。つまり、人が次々死ぬ。わかっていてもつらい。ナオタが最初に登場した時は、もうそれだけで泣けてしまった。(ナオタの父が死ぬ場面では近くに座った女性が号泣していた。)
ナオタが作文で述べていたけど、山は決して楽しいだけの場所ではない。人も死ぬ。辛いことも多い。それも山の半分。でも楽しいこともある。それも山の半分。どちらを多くするかは自分次第……。そのメッセージはよく伝わってきた。
配役
リンク
- 小栗旬演ずる「岳」の主人公に見る新しいヒーロー像(続・鹿田内りなこさんのぺえじ、2011/05/08)
こういうのが本当の感想記というものだろう。でもここまで自分を掘り下げていく作業は、とてもエネルギーを使うので、少なくとも僕はそう頻繁にはできない。こういう記事を月に2〜3本書く(だけの)ブログというのが本当は憧れなのだが。なぜりなこさんはこうした力のこもった記事を頻繁に書けるのかという疑問は措くとして。