窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

第2シーズン第4章「曲球る(まがる)」

出演(ゲスト)

粗筋

戦力外通告を受けたプロ野球選手・柳沢忠正は、なんとか現役を続けたいと宗田を相手に練習を続け、オファーがかかるのを待っている。しかし、球のスピードも変化球の切れも衰えを隠せない。なんとか全盛期の威力を取り戻したいと、投球を科学的に分析するために宗田は湯川の助力を仰ぐ。

そんな矢先に、浮気がバレた柳沢の妻が殺されるという事件が起き、柳沢はとても練習に集中できなくなる。業を煮やした湯川は、柳沢の心配を取り除くべく事件の真相解明に乗り出す……

感想

今回はこれまでで一番面白かった。

  1. ふたつの謎(殺人事件の謎と浮気相手の追求)が輻輳していたこと
  2. 岸谷から押し付けられるのではなく、湯川が自ら事件の解明に乗り出したこと、その結果岸谷が湯川に振り回されたこと

あたりに変化を感じた。二つ目の謎は科学とは関係ないけど……

ただし、僕の専門とも絡むのでちょっと真面目に述べると、流体力学は工学の分野であって物理学の領域ではない。変化球を流体力学で解析する試みは理化学研究所の姫野龍太郎氏がご専門だが、姫野先生ほどの方でも何年もかかるほど、変化球の解析は難しい。湯川先生がいくら天才でも、そんなに簡単にこなせるような問題ではない(というより、数値解析は、長期にわたる実直な取り組みこそが重要であり、天才的なひらめきはあまり必要ではないように思う)。

魔球をつくる―究極の変化球を求めて (岩波科学ライブラリー)

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野球がおもしろくなる変化球の大研究 (岩波アクティブ新書)

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また、野球選手へのフィードバックなら、変化球はなぜ曲がるのかを解明したところであまり意味はないように思える。必要なのはフォームのチェックで、医学的・生理学的に、無理なく無駄なく最大の力をボールに伝えるにはどうすればよいかを追求することではないか。

現実のプロ野球でこうした試みがどの程度になされているのか、僕は知らない。ただオリンピック出場選手などはかなりの程度にこのようなアプローチを行なっている(そのうちの一部には僕も関わっていたことがある)。それは大勢のスタッフと莫大な費用の伴う作業であり、湯川先生が一人で(しかも自分の研究の合間に片手間で)できることだとは思えない。また、その費用は、クビになった選手が負担できるものだとも思えない。

とはいえ、テレビを見る限りでは、実際にやっていたのは、現在の練習時のフォームと全盛期のフォームを比べ、その違いをチェックすることのようで、それだけなら、ビデオと協力者が一人二人いれば、素人でもできることであり物理学者はいらない。

科学(物理学)と事件の謎をこじつけるのは、もう限界にきているのかも知れない。原作ではどうなっているのか。

今日の「面白い」

岸谷が湯川先生のお株を奪うように「実に面白い」と言いかけて、湯川先生が「面白くない」とかぶせるシーンがあった。