NHK大河第23回「会津を救え」

出演

今日の見所

新政府軍にとって最高の鉄砲玉は顔面凶器の世良修蔵だった。もちろん東北諸藩にとっては最悪だった。

粗筋

新政府は仙台藩会津追討の令を出した。仙台藩は、戦争したくないし会津に非がないことも知っているしなんといってもご近所さんだからためらいがある。容保公の首を差し出して降伏されよと会津に薦めにくる。会津は、恭順はするが殿の首を出すのはとんでもないと拒否。尚之助は、新政府は東北をつぶしにかかっている、ことは会津一藩の問題ではないと力説。結果、東北・北陸諸藩(31藩だったかな)の総意として会津に対する嘆願書を出すことにした。

徳川宗家が骨抜きになった現在、旧幕府の最大勢力は会津であるから、新政府は会津の助命など聞けるはずもない。参謀の世良は嘆願書を破棄。それどころか東北諸藩の気持ちを逆撫でにするような侮蔑的な態度を取り続け、耐えかねた仙台藩士は世良を殺害。参謀を殺してしまっては和議が成るわけもなく……

感想

世良はヤクザの世界で謂う「鉄砲玉」だったんだと思う。ある組織が、対立する組織に攻め込んでそのシマを手に入れたいと思っても、ヤクザの世界でも大義名分は必要らしく、そこで口実作りのために送り込まれるのが鉄砲玉である。鉄砲玉にされた人間は、相手組織のシマに行き、組織の経営する酒場や風俗店などで難癖をつけ、暴れまくり、店の者(店の用心棒)が腹に据えかねて袋叩きにするように振る舞うのが役目である。そのような目に遭わされたら、そこで初めて「わしらの身内になにすんじゃゴラァ」と組織を挙げて相手組織に攻め込むわけである。

だから、説教されて店を追い出されて終わり、では「口実作り」ができないから、何としても相手をイラつかせなければならない。相手も、こいつは鉄砲玉だな、と気づいたら、できるだけ相手をせず、大目にみようとするだろうが、それでもなお「許せん!」と思わせるように振る舞わないといけない。そうして首尾よく殺されれば、大願成就となる。行ったまま帰らないから「鉄砲玉」と呼ばれるのだ。

ネットで感想を散見していると、世良の態度に不満を持つ人が多かった。ちょっと政府軍が優位だからといってあんな態度を取るとは、驕り高ぶっている証拠だと。それは少しずれた見方ではないだろうか。否応もなく戦に持ち込むための「作戦」であろう。鳥羽伏見の開戦のために、薩摩が江戸で火つけ盗賊などの騒ぎを起こし、耐えかねた庄内藩が薩摩屋敷を焼き討ちしたのと同じ構図だ。世良の仕事は殺されること。彼も哀しい立場だったのである。

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