公開初日に観に行く。混んでた。
題名 | 永遠の0 |
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原作 | 百田尚樹 |
監督 | 山崎貴 |
出演 | ■戦時パート/岡田准一(宮部久蔵)、井上真央(松乃、久蔵の妻)、濱田岳(井崎、宮部の部下)、新井浩文(景浦、宮部の同僚)、染谷将太(大石)、三浦貴大(武田、宮部の部下)、上田竜也(小山、宮部の部下)、他 ■現代パート/風吹ジュン(清子、宮部久蔵・松乃の娘)、吹石一恵(佐伯慶子、清子の娘/フリーライター)、三浦春馬(佐伯健太郎、慶子の弟/司法浪人)、橋爪功(井崎)、山本學(武田)、田中泯(景浦)、平幹二朗(長谷川、宮部を憎む)、夏八木勲(賢一郎、松乃の二度目の夫)、古川雄輝(健太の友人)、他 |
公式サイト | 映画『永遠の0』大ヒット上映中! |
制作 | 日本(2013年12月21日公開) |
時間 | 144分 |
劇場 | イオンシネマ新百合ヶ丘 |
内容紹介
松乃の葬式の時に孫の健太は、祖父の賢一郎とは血が繋がっていないことを初めて知る。清子は戦死した父・久蔵の顔を見たこともなく、二度目の父である賢一郎を本当の父と思って育ってきており、これまであえてその話はしなかったのだという。興味を感じた慶子と健太は、賢一郎の薦めもあり、久蔵がどんな人物かを調べることにした。
しかし、海軍の生き残りの人たちに連絡を取り、話を聞いてみると、宮部久蔵はパイロットとしての腕は抜群だが、戦闘になると命を惜しんで逃げまわる、帝国海軍一の臆病者だと口を揃えて言う。しかしそれほどの臆病者なら、なぜ特攻を志願したのだ……
雑感
あの時代に自分の命を大切にする生き方を貫き通すことができるというのは、相当な勇気と覚悟がなければできないこと。臆病者だなんてとんでもない、というのが結論ではあるのだが、いろいろひねりが効いており、また役者の熱演もあって、早い段階から涙が止まらなかった。これほど泣いた映画はちょっと記憶にない。少なくとも今年一番なのは間違いない。劇場内も洟をすする音がこだまし、最後の方は大合唱になっていた。
いろいろな人の証言で、その人の目に映る宮部久蔵が語られるため、一人の話は断片だが、それをつなげて宮部の人間像が浮かび上がっているさまは、ちょっとしたミステリーのようで、この語り口もよくできていた。同じシーンを、別の角度から撮影した映像を繰り返す手法は見事。
最初に宮部が指導した予備士官の人たちが映し出された時、中に染谷将太がいるのに気付いた。それがいつまで経っても出番がないため、染谷将太が出ていてセリフのひとつもないのはおかしいな、見間違いだったかな、と訝っていたところ、どんどん重要な役どころとなっていき……このさまは、役者の顔や名前を知っていればこそで、自分的には興味深かった。
戦闘機は、忌まわしい戦争の道具でもあるが、不思議なことに、それ自体ロマンをかきたてる魅力的な乗りものでもある。宮崎駿が戦争は嫌いだけど戦闘機が好きなのは有名な話だが、自分も嫌いではない。惜しむらくはゼロ戦の「おお!! カッコええ〜!!」というような飛行シーンがもう少しあるとよかったな。
配役
- 狙ったわけではないだろうか、来年の大河の主役と再来年の大河の主役が夫婦役だった。井上がいい仕事をしていた。
- 夏八木勲演じる賢一郎が「自分が生きているうちに間に合ってよかった」というセリフがあるが、夏八木勲こそ、生きているうちにこの役を演じ切れてよかったと思う。夏八木が亡くなられたあと、「終戦のエンペラー」、「そして父になる」、そして本作と観たが、最後を飾るに相応しい役柄であり、渾身の演技であった。「そして父になる」の撮影中は既に体調が悪かったそうで、野々宮良輔が病気で寝たきりという設定にしたのはそれを踏まえてのことか(撮影が楽なように)とも思っていたが、本作では死期が近いこと等微塵も感じさせない、元気な姿を見ることができる。
- 個人的に、唯一ミス・キャストだと思ったのは風吹ジュン。風吹ジュンが悪いわけではない。演技力はぴか一である。ぴか一なのであるが……彼女はうまいことはうまいが、どの役も同じキャラなのだ。だから続くと「またか」と思う。今年は「八重の桜」で一年間佐久を見せられ、映画でも「真夏の方程式」「そして父になる」と出演している。もう少し新鮮味のあるキャスティングにしてほしかったと思う。
- 熊本バンドの古川雄輝も登場。大河に出演すると、他からも声がかかるようになるのか、旬の役者だから大河にも出られるのか、大河に出て顔と名前を知ったから自分が気づいただけか。