まあ、笑えたからよしとするか……「地球防衛未亡人」

題名地球防衛未亡人
監督河崎実
出演壇蜜(ダン隊員)、大野未来(愛川隊員)、福田佑亮地球防衛軍隊員・整備員/電エース)、堀内正美岩村博士)、森次晃嗣(玉岡長官)、沖田駿一(飛山参謀)、モト冬樹(医師)、古谷敏(アナウンサー)、福本ヒデ(総理大臣)、TABO(元都知事)、ノッチ(米大統領)、きくち英一、他
公式サイト映画『地球防衛未亡人』公式サイト
制作日本(2014年2月8日公開)
時間84分
劇場角川シネマ新宿

内容

隕石が三角諸島に落下し、宇宙怪獣ベムラスが出現した。場所が場所だけに中国も日本も手を出しかねている中、ダン隊員が「私に出撃させてください」と志願する。

雑感

昔は怪獣が突然現れても、せいぜい民家が踏みつぶされたりビルが倒されたりする程度で済んだけど(それだって大きな被害だけど)、今や日本には13の道県に17箇所の原子力発電所がある。現在は運転停止中だが、無暗に踏みつぶされたりしたら大惨事になることに変わりはない。怪獣が原発を避けて山ばかりに下りてくるとは限らないし、むしろ海から上陸したら原発とかち合う可能性は大だ。……などということをなぜか真面目に考えていた。

本作の見所は「ダン隊員」であろう。森次晃嗣壇蜜に「ダン隊員」と呼びかけた時、劇場内は爆笑だったのだが、なるほど壇蜜だからダンか! この連想は働かなかったよ! と非常に感心してしまった。

森次晃嗣が長官を務めるということで、当初は主にウルトラセブンを下敷きにした作品なのかと思ったが、ウルトラマン(初代)だった。オレンジ色の衣装もそうだし、怪獣を怪獣墓場へ連れて行こうとする発想も(スカイドンか)。ついでにいえば核廃棄物を食べるというのもペスターっぽいな。

しかし、ウルトラシリーズのパロディというより、メインは政治パロディ、政治家パロディだ。尖閣諸島ならぬ三角諸島に出現した怪獣をめぐって中国、日本、韓国、アメリカが、当初は押し付け合い、人類に有用なのでは? とわかると、今度は所有権を主張し合ったり。福本ヒデの安倍晋三の物真似、TABOの石原慎太郎の物真似はすごい芸で、特に石原はもう笑い死ぬかと思ったほど。

戦闘機は予想をはるかに上回る出来だった。出撃シーンもカッコよかった(アナウンスは「55th gate open」だった。すごいゲートの数だ)。ただ、役者がみなさんどうにもこうにも、なんというか、無名でギャラが安くても、演技のしっかりした人物はいくらでもいるだろうに、なんでよりによって!? と言いたくなるほど。はっきり言って壇蜜の演技はお世辞にもうまいとは言えないのだから、彼女を主役にする以上、周囲はそれなりに芝居ができる人で固めてほしい。

(これは、なぜかセリフはアテレコだったが、どの人も口の動きとセリフが全然一致していないということも、要因だったと思う。なぜこんなことに? そもそもアテレコにした理由は?)

それから、厳しい話だが事実なので書いてしまう。森次晃嗣は、昔はともかく今は、演技がうまいとは言えない。動作が大げさ過ぎる。その上年齢の問題だと思うが滑舌もめっきり悪くなった。もう森次晃嗣だというだけでこういう作品に引っ張り出すのはやめた方がいいのではないか。現実に考えても、現場の司令官が70歳というのはあり得ないだろう(ウルトラセブンのヤマオカ長官は55歳、タケナカ参謀は35歳、キリヤマ隊長は39歳)。

そうでなくても、地球防衛軍の戦闘隊員が壇蜜一人しかいないとか(これは予算の関係だろうが)いろいろと不自然な点が多い中で、役者の演技までが浮ついていたため、リアリティがなく、結局印象に残ったのは石原慎太郎の物真似だけ、という中途半端な作品であった。

ま、笑えたからいいか。いいよな。そういうのを観に来たわけじゃないんだけどなあ?

ちなみに壇蜜だが、惜しげもなくヌードを晒してくれるが、おへそがちょっと映るくらいで、見えない(だからR指定もない)。画面には見えないのだけど、すぐ裸になるし、あんあん言って喘ぐシーンもある。で、あんあん言っている時の言い方や動作が彼女の持ち味なのかと思ったが、それもひっくるめて、演技には見るべきものがないということがわかってしまった。「私の奴隷になりなさい」でブレイクした人だけど、やっぱりバラエティタレントなのかな。

配役