窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟

DVD視聴。割と期待していたのだが……

題名ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟
脚本長谷川圭一
監督小中和哉
出演五十嵐隼士(ヒビノ・ミライ)、黒部進(ハヤタ)、森次晃嗣モロボシ・ダン)、団時朗(郷秀樹)、高峰圭二北斗星司)
公式サイトウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟
制作日本、2006年

  • ウルトラシリーズ誕生40周年記念作品。唯一ではないが、珍しい劇場版で、公開中、ぜひ見たいと思っていた(が、都合が合わなくて見に行けず、ずっと残念に思っていた)。
  • 期待して観たのだが……泣きたくなった。過去の名作に、時代を超えてリメイクあるいは続編の制作というのは、遊びとしては面白いけど、あくまで本編とは別作品だし、過大な期待はすべきではないということだろう。メビウスをテレビで見ていた世代は、それなりに面白く観たんじゃないだろうか。
  • ヤプールとの闘いでエネルギーを使い果たして変身能力を失い、地球人として生きるハヤタ、ダン、郷、北斗……という設定が笑える。じゃあ科学特捜隊とかウルトラ警備隊はどうなったわけよ。もちろん、これは今に始まった話ではない。30数年前に、ウルトラ兄弟だとかいって世界観をつなげようとした時から孕んでいた矛盾なのだが、これまではウルトラ兄弟の側から描くことで、こうした疑問を巧みに回避していたわけだ。それが、ハヤタ、ダン、郷、北斗が顔を突き合わせてしまえば、矛盾が一気に露呈する。
  • それに、神戸空港の空港長を務めるハヤタや、牧場で働くダン、サーキットの郷などはそれなりにわかるとして、元TACの精鋭が、ホテルのシェフ? ありえないっしょ。
  • ウルトラマンをはじめとする昔の映像や音楽が効果的に織り交ぜられ、僕らのようなオールドファンも興味を持てるような内容になっていた。そのあたりは、よくできている。
  • CGの出来は賛否両論あるだろう。スピーディーな動きは迫力を増したといえなくもない。ただ、早すぎて何をやっているのかわからない箇所も多く、こういう方向に進化するのは賛成しかねる。ゴジラも、ハリウッドで作られたスピーディーに走り回るゴジラより、のそのそ歩く本家ゴジラの方がはるかに怖いと感じるはず。
  • とってつけたような教育調の寓意が強調されていて興を削いだ。
  • 変身能力を失ったはずなのに、結局は変身して闘うし、すぐにエネルギーが尽きてしまうのだが、そこへゾフィーとタロウがエネルギーをたっぷり持ってきて与えてくれるし。こんなに簡単にエネルギーが分け与えられるものなら、20年前に持ってきてやれよ! と思うし。
  • しかし、一番ええーと思ったのは、別の怪獣(星人)と闘って疲弊したウルトラマンたちの前にガッツ星人が登場した場面。飛びかかってくるウルトラマンたちを分身能力などを巧みに使ってかわし、エネルギーを使い果たさせ、動けなくなったところを捕えて十字架にかける。ウルトラセブンの「セブン暗殺計画」まんまやーん! と。オマージュならオマージュらしく、少しはひねれと。
  • ウルトラ兄弟が合体(?)してインフィニティになったところは、ちょっと目新しいナと思った。
  • 子供を映画館に連れてきた親が一緒に楽しめる作品を目指した、ということなのか。そういう意味なら、それなりに成功しているんだろう。
  • 結局、文句を言いながらも見るんだけどね。文句を言う愉しみっていうのもあるしね。