笑えてほろりと「引っ越し大名」

エンドロールを見るまで気づかなかったが、脚本は「超高速! 参勤交代」と同じ人だった。

題名引っ越し大名
監督犬童一心
脚本土橋章宏
出演■主人公の家族など/星野源(片桐春之介、引っ越し奉行)、富田靖子(波津、春之介の母)、高橋一生(鷹村源右衛門、御刀番・春之介の幼馴染)、高畑充希(於蘭、前引っ越し奉行の娘)、鳥越壮真(音松、於蘭の息子)
藩士など/及川光博(松平直矩、藩主)、松重豊(本村三右衛門、国家老)、西村まさ彦(藤原修三、次席家老)、正名僕蔵(佐島竜五郎、勘定奉行)、濱田岳(中西監物、勘定頭)、山内圭哉(仲田小兵衛、江戸留守居役)
■帰農する人たち/小澤征悦(山里一郎太、姫路藩士)、飯尾和樹(高橋四郎、姫路藩士)、ピエール瀧(北尾俊蔵、姫路藩士)
■その他/向井理柳沢吉保)、和田聰宏(田中衆三郎、隠密頭)、岡山天音(和泉屋若旦那、廻船問屋)、丘みどり(大野の妾)、斉藤暁(小野田真之、村人)、立川志らく(ナレーション)、他
公式サイト映画『引っ越し大名!』 公式サイト
制作日本(2019年8月30日公開)
時間120分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン2)

概要

  • 姫路藩主の松平直矩は幕府から国替えを命じられる。しかも減封である。松平直矩はこれまでにも国替えを命じられたことがあり、その時は引っ越しを仕切ってくれる奉行がいたから任せておけばよかったが、過労で死んでしまった。この「お国の一大事」に、まずは引っ越し奉行を決めなければならない。そこに「かたつもり」というあだ名の書庫番・片桐春之介に白羽の矢が立った……

雑感

  • 時代劇などでは正面切って描かれることはないが、藩が丸ごと引っ越すわけだから、お金も手間も、気持ちの上でも大変だろう。そこに焦点を当てたドタバタコメディ。コメディ部分はコメディ部分で面白かったが、ただのコメディではないところが「超高速! 参勤交代」との違いと言えばよいか。
  • 連れて行けない家臣を帰農させる、いずれ加増があった時に迎えに来る、という案が出て来た時、「その時になったら、もう武士には戻りたくない、という人が出てくるだろうな」「その時を待てずに死んでしまう人も大勢いるんだろうな」「でもそこまでは物語上、拾えないだろうな」と思っていたところ、ちゃんとどちらにも言及してくれて嬉しかった。最後、「全員」が戻って来て藩主に拝謁するシーンは感動した。
  • 引っ越しそのものが藩が潰れるかどうかという「おおいくさ」なのだから、力づくで邪魔しようとする人たちを登場させる必要はなかったと思う。派手に盛り上げるためにはチャンバラシーンが必要と判断したのかも知れないが、その割にチャンバラシーンはカッコよくなかった(その点「超高速! 参勤交代」のアクションシーンはカッコよかった)。高橋一生は「滅茶苦茶強い」という設定だったが、あまり強そうではなかった。

配役

  • ピエール瀧がいい仕事をしていた。そういえば彼が例の事件を起こし、多くの作品が、彼の登場シーンをカットしたり別の役者で取り直しをしたりしている中、「撮り直しはせずこのまま公開します」といっている映画作品があるな……と思っていたのが本作だったのか。その覚悟やよし。

監督

(2019/10/21 記)