窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「最高の人生の見つけ方」

まだやっていた。見られてよかった。

題名最高の人生の見つけ方
監督犬童一心
出演吉永小百合(北原幸枝)、前川清(北原孝道、幸枝の夫)、駒木根隆介(北原一慶、幸枝の長男)、満島ひかり(北原美春、幸枝の長女)、天海祐希(剛田マ子、経営者)、賀来賢人(三木輝男、マ子の夫)、ムロツヨシ(高田学、マ子の秘書)、鈴木梨央(神崎真梨恵、病院で出会った少女)、ももいろクローバーZ(本人役)、他
公式サイト映画『最高の人生の見つけ方』公式サイト
制作日本(2019年10月11日公開)
時間115分
劇場イオンシネマ 港北NT(スクリーン11)

概要

北原幸枝は専業主婦だが、洗い物一つしてくれない夫、仕事もせず部屋に引き籠ってゲームばかりしている長男に手を焼いている。長女はまともに育ったが、父や兄の世話を押し付けられることを嫌って家に寄り付かない。

剛田マ子は大手ホテルチェーンを展開する敏腕経営者だが、夫は自分の目を盗んで浮気を繰り返すのみならず、会社の金を使い込んでおり、それを感じているマ子は誰にも心を許すことができない。

その二人が揃って癌に罹って余命宣告を受けることになる。同室に入院して知己を得ることになった。さらに病院では重度の糖尿病の少女が倒れ、息を引き取る現場をそろって目撃する。少女の残したノートに「死ぬまでにやりたいこと」が書かれており、幸枝とマ子は、自分たちが少女に代わってこれを成し遂げることにする……

雑感

  • 余命宣告を受けたとか、家族に裏切られたとか、いろいろあるけれど、基本的にはこれはロードムービーだと思う。彼女らがスカイダイビングをしたり、エジプトの砂漠を裸足で歩いてやけどしたり、超ビッグサイズのパフェを食べたり、ももクロのコンサートに行ったりする。しかも恐らくその費用はすべてマ子が出していて、海外へはすべてプライベートジェット使用という超豪華な旅。バラエティに富んだ内容と絢爛豪華な内容に目を奪われる、というのが大きな柱だ。まずはそこを楽しむ映画だ。
  • 冒頭でJAXAが登場し、吉永小百合天海祐希もしばらく出て来なかったため、映画館の部屋を間違えたかと不安になった。何の関係もないように見える冒頭のシーンが最後につながった時に、大きな感動を受けたが、それならそれで、タイトルを表示させるなり、二人の顔をフラッシュで映すなり、そこは工夫が欲しかった。
  • 先に死んだマ子は自分の資産を幸枝に託す。託された幸枝が思いついたお金の使い道は実に素晴らしいアイデアだった。誰かの入れ知恵かも知れないが、幸枝は本質的に頭がいいのだ。
  • 孝道は反省して料理を覚え、一慶は就職する。一見ハッピーエンドだが、自分はこれに関しては少々意地の悪い見方をしている。今はいいけど、三ヶ月もしないうちに一慶はイヤになって仕事を辞めると思う。孝道はもっと短く、恐らく二週間もしないうちに面倒になって料理なんてやめてしまうと思う。料理も仕事も、心がけさえ変われば誰でもできるようになるというものではない。それなりのスキルが必要だし、スキルを身につけるのは時間も努力も必要なのだ。まあ幸枝は、二人が変わってくれたと信じて息を引き取ることができたわけだから、ハッピーエンドに変わりはないか。

記憶に残るセリフ

高田「手紙には書いていませんが、マ子さまは最後に私にこうおっしゃいました。高田、お前にもきっといい相手が見つかるよと」

高田はマ子のことを心から愛していた。マ子はそれを知っており、部下としては信頼していたが、男としては好きにはならなかった。そのマ子から高田への遺言。泣かせる。

その他

  • 2007年のアメリカ映画のリメイク。

配役

  • かつて、イヤなヤツを演じさせたら右に出るものはないと思われたムロツヨシは、最近いい役をやることが多いが、わけても今回はカッコよかった。いい役者だなあ。

最高の人生の見つけ方 オフィシャルフォトブック

最高の人生の見つけ方 オフィシャルフォトブック

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: キノブックス
  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: 単行本

(2019/12/5 記)