1月4日、「屍人荘の殺人」に続けて見る。まずは字幕版で。
題名 | アナと雪の女王2(Frozen II) |
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監督 | クリス・バック、ジェニファー・リー |
脚本 | ジェニファー・リー |
出演 | イディナ・メンゼル(エルサ)、クリスティン・ベル(アナ)、ジョシュ・ギャッド(オラフ)、ジョナサン・グロフ(クリストフ)、他 |
公式サイト | アナと雪の女王2|映画|ディズニー公式 |
制作 | USA(2019年11月22日日本公開) |
時間 | 103分 |
劇場 | イオンシネマ 港北NT(スクリーン4) |
総論
一言で言えば、そうだろうなと思ったらそうだった、というところか。
雑感
前作に匹敵するほど面白くはないだろう、と思ったらその通りだったということ。前作は、何しろ物語の序盤でエルサが示した、指先一つで橋を架け、城を築いてしまうという行為はけた違いの魔力であり、度肝を抜かれたと言ってよい。しかもそこで歌われた「ありのままで」は歌詞といいメロディといい非常にキャッチーであった。
このシーンは丸々予告編で使われたため、多くの人に強い印象を与えたであろうが、本編では「ありのままではダメなんだ」と気付いたエルサがアレンデールに帰ってくるという、これをさらに覆す仕掛けがあった。これが大ヒットの根幹だっただろう。他にも、アナがハンスといい仲になったと思ったら裏切られたとか、クリストフが登場し彼の愛に救われる結末かと思ったらそれも違ったとか、とにかく次々と予想が裏切られていくストーリー展開が小気味よかった。
今回は、予告編を見る限りでは「ありのままで」に匹敵する印象に残る曲がない。エルサもいろいろ魔力を見せるが、一瞬で城を築く行為を超える驚きがない。おまけに新しい事件、新しい展開ではなく、時系列としては前作の3年後の出来事だとしても、扱われるのはエルサが魔力を宿した理由や両親の出生の秘密。いわば過去をたどる旅である。前作の大ヒットを前提とした話ということだろうが前作を知らない人には興味の持てない内容だ。
また、見ていると前作で周囲に大きな迷惑をかけ、また三年の月日が経っているのに、エルサは全く成長していない。すべてを自分が抱え込めば済むと短絡的に考えてしまうが、エルサはもともと視野が狭い。むしろ統治者に相応しい大局観や判断力を備えているのはアナの方で、だからエルサは常にアナをそばに置き、彼女の意見に耳を傾けるべきなのだ。しかしまたしても彼女の忠告を無視して被害を広げそうになった。もっともアナも今はそれがわかっているからエルサから離れず、被害を最小限に食い止めることができたわけだけど。
そういうわけで、アナの方がよほど王位に相応しいのにと前作から思っていたが、なんと物語の終盤、エルサは城を出、王位はアナが継ぐことになった。これは正しい判断だ。そういう点では後味の良い話であった。
今回はクリストフ君は出番なし。国の危機的状況であるにも関わらずプロポーズのセリフばかり考えているお花畑脳はちょっと情けないが、プロポーズは受け入れられたので一応ハッピーエンドである。しかしアレンデールの国民がいかに寛大であっても、女王の夫としてクリストフが相応しいとは僕には思えない。いや、「精霊の国」アレンデールにおいて、トロールに育てられたクリストフには山男とはまた別の役割があるか……