概要
傷を負った忠清を、この時代なら死ぬのを待つしかないが、平成の世ならば、自分の母ならば治せると唯は判断して、現代に送り込む。速川家では突然出現した若殿に驚くが、事情を察した尊に説明を受けた両親によって看護された忠清は、みるみる元気になる。
平成で一ヵ月過ごしても、戦国に戻ってくれば3分しか経っていないはずなのに、5分経っても10分経っても戻らぬ忠清に、城は大騒ぎになる。高山との和議も、阿湖姫を娶る話も、忠清がいなければ始まらない。もともと虫の息だったのだから、自力で遠くへ行かれるわけがない。殺されてどこかへ連れ去られたのか……
羽木成之は、弟・忠清の捜索を買って出るが、その意図はどこにあるのか……忠清の身を案じてでないのは確かのようだ。成之は唯が真相を知っていると感ずいており、あぶり出すために、唯が忠清をかどわかしたと噂を流す。
忠清は、黒羽城跡を見て、すべてが(平成の世から見れば)過去になってしまったことにショックを受けるが、だからこそ戦国の世へ戻らなければならないと思い決め、次の満月の夜に帰るつもりでいたが、今度は感染症にかかってしまい、重体に。元の世界に帰れない……
雑感
忠清が現代の高校生の制服のコスプレをするところとか、彼の凛とした姿勢や言葉遣いに周囲が感化されていく様子がオカシイ。また、唯が自分の身の危険も顧みず、忠清を救いに戦国の世へ来たことを知り、唯の真心を感じるが、今後の転回点となるか!?
噂と回想シーンでしか出て来なかった阿湖姫が初めて本格的に登場。なかなか心優しい姫である(川栄李奈が好きなので、いろいろとひいき目ではある)。
羽木は滅ぶのか!? と忠清が尊に詰め寄るシーンがあるが、平成の世でそれを訊かれても、忠清の時代の人は一人残らずとっくの昔に死んでいるわけで、のちの世の視点で振り返るというのは残酷なことでもある*1。しかし、今を生きる人にとっては、自分や周囲の人が、今年中に死んでしまうのか、2~3年後まで生きられるのか、10年、20年、あるいは50年先まで生き永らえるのかは大きな違いだ。それが生きるということだ。
(2020/5/27 記)
*1:昔、100年カレンダーといって100年先まで使えるカレンダーが販売されたことがあったらしい。話題になって割と売れたらしいのだが、買った人がカレンダーを眺めて、自分はこのカレンダーのどこかの日に必ず死ぬのだと考えてノイローゼになってしまう人が何人も出て販売中止になった、という話を聞いたことがある。