窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第十八回「越前へ」

あらすじ

屋敷から逃げ出した十兵衛たちが尾張へ向かおうとした時、駒が菊丸を連れてやってくる。尾張方面は警戒が厳重で、関所にも人を多数放っているという。仕方なく反対方面へ逃げるものの、どこも追手が一杯。途方に暮れているところへ伊呂波太夫がやってくる。帰蝶様の命で明智殿の手助けのためにやってきました、と、抜け道を案内する。そして一行は太夫に導かれて越前へ行く。

伊呂波太夫の紹介で十兵衛は朝倉義景に会う。義景は、戦はしたくないし、巻き込まれたくもない、十兵衛らを抱え込めば余計なことに巻き込まれるのではと、あまり積極的ではなかったが、ある手紙を十兵衛らに見せる。それは細川藤孝からのもので、明智十兵衛なる人物がもし落ち延びてきたらよしなに……としたためてあった。明智の窮状を知り、あちこちの主だった大名に根回しをしておいてくれたのだ。

駒と煕子は初対面だがすぐに意気投合する。そして、幼い頃に誰かに命を救ってもらったことを話す。それを隣で聞いていた牧は血相を変える。駒を京都で救ったのは明智光綱だったのだ。

尾張では信長の弟の信勝が謀反を企てるが、土田御前のとりなしでいったんは和解。が、また斎藤高政と通じ、信長に敵対する動きがあると。信長は帰蝶の進言に従い、信勝を呼び寄せる。そして信勝が、信長を殺そうと持参した毒薬を本人に飲ませ、殺す……

雑感

今回は、伊呂波大夫、駒という架空の人物がキーとなる働きをした。そういう意味で(文字通り)ドラマチックな展開だった。

先週を見て、当時の戦の常識として、城や屋敷に立てこもって抵抗すれば殺すが、家財一切を捨て逃げ出した者は追わない、という不文律でもあったのかと思った。そうでなければ目の前に敵が迫っているにも関わらず、なおぐずぐずしていた理由がわからないからだ。が、高政勢は、街道筋や関所に人を配置し、追い詰めようとしていることがわかった。これでは女や年寄りを引き連れていては、逃げられるはずがないが、ここで無双の旅芸人・伊呂波大夫が登場する。彼女に連れられれば可能な気がする。

その前に登場した駒も重要な働きをする。尾張方面は警戒が厳重だという貴重な情報をもたらす。次に、山の中で伊呂波大夫と会った時に面通しし、人物を保証する。あとは彼女自身医療の心得があるため、けが人の手当てができること。これだけやってくれれば、この時の明智の一行にとっては命に等しい恩を受けたというべきだろう。

駒の命を救ったのが十兵衛の父というのは、予想通り。

伊呂波大夫は近衛家の家出娘のなれのはてなのだそうだ。なるほど、高貴な人も含めて異様に顔が広いのも、それが大きな理由か。

ユースケの義景は、なにやら胡散臭さ全開。なおこの時23歳。

帰蝶は、信長個人を愛し、少しでも彼の力になりたい、というレベルから、今は織田家当主の座を愛し、これを守り発展させるために自分ができるだけのことをする、という立ち位置に変わってきている。そのため信長が膝枕をしていてもあまり仲が良さそうではない。信長が帰蝶の思惑通りに動かないとそっとたしなめ、自分をまさぐる手を外したりする。こわい。

登場人物の満年齢(1556年)

氏名 誕生日後の満年齢 役者の年齢
明智十兵衛 28 42
煕子 26 32
織田信長 22 27
帰蝶 21 25
朝倉義景 23 49
柴田勝家 34 44
織田信勝 16 31


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(2020/5/18 記)