出演
- 井本彩花(市)
あらすじ
勅命を得た信長は、徳川家康、池田勝正、松永久秀、さらに若狭の国衆などを従え、大軍勢で敦賀まで制圧、金ヶ崎城に入城。が、浅井長政が裏切り、軍勢を引き連れて小谷を出たとの報が。
光秀はすぐに信長に上奏、すぐに撤退するよう進言。信長は、帝の信を得てのこの戦、敵に背は見せられないといったんは撤退を拒否するも、光秀の「織田信長は死んではならんのです!」との叫びでやむなく撤退を決意。しんがりを光秀、藤吉郎にまかせ、京へ逃げ帰る。
摂津晴門は、「この敗戦がいい薬になる、信長がもう少しわれらの声に耳を傾けてくれるようになれば」「もう信長は頼りにならない、やはり朝倉義景に上洛してもらわないと」などと義昭に伝える。が、義昭がすぐに女(駒)のところに行ってしまうのを、それはそれで苦々しく思っている。
京に戻ってきた信長は、帝に報告もせねばならぬ、帰蝶に文も書かなければならぬ、なんと言えばいい、負けたというのか、と光秀に愚痴る。光秀は、自分は負けだとは思っておりませぬ、と答える。「信長は生きて帰った、次がある」と言えばいいというのだ。
登場人物の満年齢(1570年)
氏名 | 誕生日後の満年齢 | 役者の年齢 |
---|---|---|
明智光秀 | 42 | 42 |
織田信長 | 36 | 28 |
柴田勝家 | 48 | 45 |
木下藤吉郎 | 33 | 52 |
徳川家康 | 27 | 37 |
松永久秀 | 62 | 61 |
浅井長政 | 25 | 28 |
市 | 23 | 17 |
足利義昭 | 33 | 43 |
朝倉義景 | 37 | 49 |
雑感
- 浅井が軍勢を引き連れて小谷を出た、との報を聞いて、信長がまず言ったのは「わしは加勢など頼んでおらぬ」であり、裏切りだと言われても「なぜだ……」となかなか信じられない様子だった。しかし、これまで浅井長政が登場したのは、二条城ができた時に挨拶にきただけ。市も初登場。織田と浅井の絆が全く描かれていないため、信長が長政をやけに信じている様子や裏切られてショックを受けているのが理解できない。いろいろと不測の事態が続く中で割を食った箇所なのかも知れないが、もったいなかった。たとえ10~15程度でもいいから、以前に浅井と同盟を結ぶシーンを入れていれば(その時に朝倉を攻めないと約束していれば)もっと重厚なものになっただろうに。
- 長政が裏切る理由が、朝倉との不戦の約束を信長が破ったからだ、というのはなかなかいい理由だった。
- 市が小豆を送り付けるエピソードはなかった。どんな話にも出てくるエピで、てっきり史実だと思い込んでいたが、調べてみると後世の作り話っぽい。
- 藤吉郎が自分にもしんがりをやらせてほしいと光秀に訴えるシーン、3分20秒の長台詞で、一刻を争う事態だというのになんでこんなに長々と自分語りをしているのだろうと、疑問に感じた人は多かっただろう。自分は、単に長いことより、妹の芋粥がなんの譬えなのかわからず、戸惑った。自分は羽があるのだから跳びたい(しんがりが務まる実力があるのだからそれを発揮したい)、たとえ死んでも名が残るなら本望、という話と、死にかけた妹に粥を食わさず自分が食べてしまったのは、何の関係があるのか。
(2020/11/22 記)