窓の向こうに

月に数回映画館に通う程度の映画ファンです。自分が見た映画やドラマの感想を書いています。

「麒麟がくる」第二十九回「摂津晴門の計略」

出演

あらすじ

二条城が完成した。しかし、資材をかき集めたことで多くの反発も招いた。そうした不満の声が摂津晴門の元に届き、摂津は義昭の耳に入れる。義昭は、信長が自分のためにしてくれたことだから反対はできない。が、いつまでも信長が京にいるわけではない。岐阜に戻ったら、少しずつ返そう、と約束する。この「口利き料」で摂津は寺から小金をせしめる。

光秀が妻子をいずれ京に呼び寄せるつもりだと知った義昭は、住むところが必要だと土地を与える。が、その土地は騙されて盗られたものだとの訴えが上がってきた。それをしった細川藤孝はすぐに光秀に知らせ、光秀は摂津を問い詰める。公方様より賜ったものだが、土地を確保したのは政所、それが騙して巻き上げた土地だとはどういうつもりか、と。摂津は、こんなこといちいち気にすることはないと誤魔化そうとするが、光秀は、目をつぶるわけにはいかない、直ちに吟味するよう伝え、摂津は、ながーいながーい時間をかけてじっくり調べましょう、と答える。

二条晴良によって失脚させられ、京を追われた近衛前久は、ひそかに京に戻り、伊呂波太夫を通じて光秀に会う。前久は、今の幕府は、己の私利私欲を満たすことしか頭にない連中ばかり、これでは世は平らかにはならないと指摘する。

太夫は、御所の壁があちこち崩れているが帝には直す金がない、手を貸すべき幕府も知らん顔だと窮状を訴える。

光秀は信長に、幕府は腐っている、人を全部入れ替えるべきだと訴えるが、信長は、幕府のやることに口は出さない、それは光秀の仕事だと言い返し、朝倉義景へ備えるために岐阜へ戻っていった。

今日の光秀&木下藤吉郎

「今日はいかなる御用で」
「信長様に申し上げたき儀があり――」
「あ、昨日お会いになった近衛前久様の件でございますか」

登場人物の満年齢(1569年)

氏名 誕生日後の満年齢 役者の年齢
明智光秀 41 42
織田信長 35 28
木下藤吉郎 32 52
足利義昭 32 43
細川藤孝 35 43
近衛前久 33 29
浅井長政 24 28
朝倉義景 36 49

雑感

絵に描いたような悪役(摂津晴門)の登場だが、それはそれとして、室町時代後期の幕府の統治機構はどのようなものであったか、とても興味がある。が、不勉強なせいか、これまで見たり読んだりしたドラマや小説・漫画はもちろんのこと、まじめな歴史書・解説書の類でも、ここを解説したものを見た記憶がない。形骸化したとはいえ、室町前期のものを引き継いでいたのだと漠然と思っていたが(思っているが)、問題は、どの程度の力があり、どの程度形骸化していたのかだ。

これはドラマで必ずしも史実通りではないだろうが、摂津晴門の名が知れただけでも良かった。

しかし、摂津に訴え出た寺社、信長に襖を全部取られて寺の形を成さないなどというが、摂津に袖の下を渡す金があるなら、その金で新しい襖を作ればよかろうにと思うのだが、別の目的があったのだろうか。

木下藤吉郎は光秀がひそかに会った相手が近衛前久であることをちゃんと知っており、それを光秀に明かすことで釘を刺す、実に油断のならない人物だ。信長にとっては役に立つ人材だろうが、下手をしたら寝首をかかれかねない。その点光秀はまっすぐで裏がないだけに扱いやすそうだなあ。

その光秀、口喧嘩でも摂津に後れを取っていなかった。成長の跡がうかがえる。

浅井長政初登場だが、ちょっと初登場が遅かったのではないか。来週は朝倉攻めが始まるようだから、ということは……。早い回に市を登場させ、浅井と講和を結び市が嫁に行くエピソードをやっておくべきだったのではないか。今の浅井が朝倉についても、あ、そう、というだけで、裏切られた感がないもの。


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